■“安全・安心な志木市”を堅実に
元日という、多くの方が新年のはじまりを心安らかに過ごされていた最中に発生した「令和6年能登半島地震」。地震や津波により多くの尊い命が奪われ、未だ安否の分からない方もいる状況であり、甚大な被害となりました。改めて被害に遭われた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
毎年恒例の、志木市の消防団、自警消防隊、消防署による「志木市消防出初式」については、被災地の状況を鑑み、中止も検討しましたが、連日の報道では、被災地で消火活動や救助活動に果敢に立ち向かう消防団員や消防職員の姿が映し出され、市民の消防組織に対する期待も高まる中、非常事態を想定した訓練という視点からも実施を決断しました。出初式では、実戦さながらの救出・救護訓練、一斉放水などが披露され、自分たちの地域をしっかり守り抜こうと活動をしていただいているその勇姿に、改めて感謝の念を抱くとともに、震災などの有事の際には、消防に関わる方々の協力が必要不可欠であると強く実感したところです。
さて、2月に入り令和6年度予算編成も佳境を迎えています。予算の中でも大きなウエイトを占めるのが、いよいよ建設工事に着手する市民会館・市民体育館の新複合施設の整備です。新複合施設は、市民の皆さんの文化・スポーツ活動の拠点であるとともに、災害時の救援物資の集積場所や避難所など、防災活動の拠点としての活用も想定しており、その建設費は、およそ117億円。急激な物価高騰などの影響を受け、令和3年時点の試算額から大幅に増加しており、「経済が落ち着くまで先送りにした方が良いのでは」と心配の声もいただいています。
しかしながら、新複合施設の建設については、今、着手すべき理由があります。それは、災害が起きた際に防災活動の拠点としても活用できる、安全・安心な施設を早急に整備する必要があること。また、国の財政支援を活用するためには、令和8年度までに建設を完了する必要があるという理由からです。
この財政支援は、公共施設をただ単に建て替えるのではなく、自治体が工夫を凝らし複合化により全体の面積を縮小しながら再整備することで活用ができ、今回の新複合施設の建設では、費用の半分近く、およそ53億円もの財政支援を受けることが可能です。このタイミングを逃してしまうと、国の支援を受けることができないため、さらなる健全な財政運営を心掛ける視点からも、令和8年度中の完成を目指し、工事に着手していきます。
老朽化の進む公共施設の安全性の確保は喫緊の課題です。厳しい財政状況ではありますが、10年、20年先の未来を見据え、堅実な財政運営を心がけながら、市民の笑顔につながる予算編成もいよいよ大詰めです。
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