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自治体の皆さまへ

「以心伝心」志木市長/香川武文

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埼玉県志木市

■不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で
労働人口の減少や運送業・建設業における時間外労働の上限規制など、いわゆる「2024年問題」の影響に加え、建設業界の人手不足による大規模工事の入札不調や工事の遅れといった報道を目にすることが多くなり、全国的にも大きな課題となっています。新年度を迎え、気持ち新たに市政の舵(かじ)を取ろうと思っていたところ、志木市もこうした社会情勢の影響をダイレクトに受け、本年7月からの着工を目指して準備を進めていた新複合施設建設工事については、入札参加申込者より設備工事業者の確保が困難であることを理由に入札参加辞退の申し出があり、事業スケジュールの大幅な見直しを余儀なくされたところです。
本市自慢の市民力を発揮するステージとしての活用を期待していた新複合施設の完成は市政における重要課題であることから、知恵を出し合いながら、早期の完成に向けた今後の進め方を議論しているところであり、見直しの事業スケジュールが決まり次第、市民の皆様に改めてお示ししてまいります。
また、3月30日をもって、利用状況の変化や、維持費、燃料費の高騰による運行経費の増加などを受けて、ふれあい号の運行を終了しました。加えて、志木駅と柳瀬川駅を結ぶ志04系統及び志04-2系統の路線バスについても、運転手不足や運行ルート上の狭隘(きょうあい)な道路を安全に運行できる車両の確保が困難であるとの理由で、バス事業者が路線の廃止を決定しました。全国的にも運転手不足や燃料費の高騰など、交通事業が難しい局面を迎えている中、令和6年4月1日より、長距離を移動する際の負担が軽減されるよう、デマンド交通の利用料金の見直しを行いました。デマンド交通は本市自慢の独自施策であり、今後も利用しやすさを意識するとともに、安定的な交通施策のあり方については、引き続きアンテナを高くしながら可能性を探ってまいります。
「市民会館を壊さなくてもよかった」「市がコミュニティバスを運行するのが良い」という声もいただきますが、市民会館については、老朽化が進行していることから利用者の皆さまの安全を確保する必要があったことや、市民活動に利用できない期間を短くするための事業スケジュール上、早期の解体はやむを得なかったものと考えています。コミュニティバスについても、導入した場合、市域の狭い本市ではバス路線など既存の公共交通と競合し、撤退につながってしまうという事情があります。世界を騒がせたコロナ禍を乗り越えつつあると思った矢先、物価高騰の影響が大きくなるなど、強い風が吹き荒れる状況ではありますが、不撓不屈の精神で庁内一丸となって知恵を絞り、10年、20年先を見据えながら、選ばれ続ける志木市のため、道を切り開いていく決意です。

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