■所沢の魅力をたくさんの人に伝えたい
所沢なび 代表 深井 義之(ふかい よしゆき)さん(市内在住)
所沢プロぺ商店街のなかほどにある商業施設「所沢サンプラザ」。
同施設4階にある「所沢なび」は、所沢エリアに特化した地域情報をSNSなどで発信する地域メディアで、深井さんが代表を務める。
休みの日は家族と過ごすことが多く、愛犬との散歩は毎日欠かせない。
「所沢の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」。その思いで設立された所沢なび。しかし、設立間もなくして、突如日本を襲った東日本大震災。
世間が混乱するなか、深井さんたちは考えた。
「私たちにできることとは…」
所沢生まれ、所沢育ちの深井義之(ふかいよしゆき)さん。子どもの頃はとにかく体を動かすことが大好きで、小学校では水泳、中学ではサッカー、高校ではハンドボールなどさまざまなスポーツに励んでいた。
「昔から、自分の知らないことはどんどん経験して、社会に出たときの糧にしたいと考えていた」という深井さんは、大学ではウィンドサーフィンやスキューバダイビングなどのマリンスポーツに挑戦。また、アルバイトも飲食店やスポーツショップの販売員などたくさんの職種を経験したことで、改めて家業である不動産業に興味をもち、大学卒業後は不動産会社に13年間勤務した。
その後は家業を継ぎ、所沢で不動産業を営む中、特に都内から来る多くの方から「所沢って都心からこんなに近かったんだね」という言葉を耳にした。
この言葉に深井さんは、「所沢の魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」という思いから、2010年8月、地域メディア「所沢なび」を設立した。
しかし、設立から7カ月後の2011年3月、東日本大震災が日本を襲った。
所沢駅周辺は、建物倒壊などの大きな被害はなかったが、電気の使用量を減らすために実施された「計画停電」により、どのお店がどの時間帯に開いているか分からない状況になっていた。そのため、プロぺ商店街をはじめ所沢駅周辺は閑散としていた。
自分たちにできることは何かを考えたとき、「これまでと変わらず地域の人たちが求めている正確な情報を発信し続けることだ」ということにたどり着いたという。
地域とのつながりを何よりも大切にしている深井さんは、スタッフと共に周辺の店舗から情報を集めて、営業時間などを調べ、細かい情報をSNSで発信し続けた。
震災以降も、そういった地道な努力を続けるうちに、共感する仲間が集まり、地域との交流を深めた結果、地元の人たちから愛される事業となった。
今後の目標について聞くと、「所沢なびは魅力的な人・お店・イベントなどの情報発信をしているが、所沢サンプラザ3階にある所沢ノードでは、魅力的なイベントを開催するための場所を提供している。『なび』と『ノード』で所沢を盛り上げていきたい。また、設立当初から支えてくれているスタッフや、ご協力いただいた多くの方々に、この場を借りて感謝申し上げたい」と、地域の方たちだけでなく、スタッフにも感謝の気持ちを忘れない深井さんだ。(取材:関)
〔memo〕所沢の魅力がたくさん紹介されている所沢なび公式HP、Instagramをチェック!
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