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はつらつところっこ

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埼玉県所沢市

■White Mountaineering(ホワイト マウンテニアリング)デザイナー 相澤 陽介(あいざわ ようすけ)さん(市内出身)
2006年より「White Mountaineering」をスタート。埼玉西武ライオンズの夏企画「ライオンズフェスティバルズ2024」でユニフォームデザインを担当。椿峰小、上山口中出身。並木に生まれ、椿峰、新所沢にて育つ。EXILE NAOTOさん(本紙7面参照)とはご飯に行く仲。山田うどんは懐かしの味。

◇諦めずに続けることで夢は近づいてくる
ウェブサイトやSNS上に並ぶスタイリッシュな写真。気難しい方だろうか、と思いきや、インタビューが始まると気さくな笑顔で地元トークに花が咲く。デザイナーの相澤陽介(あいざわようすけ)さんだ。
所沢生まれ所沢育ちの相澤さんは、山口地区の豊かな自然の中で子ども時代を過ごした。ライオンズの応援にも足繁(しげ)く通い、高校ではアイスホッケーの推薦で進学するほどスポーツに打ち込んだが、デザイナーの父の影響を受け、その後は自然とデザインの道に進んだ。
転機は10数年前、ヨーロッパ進出を計画していた最中、世界的海外ブランド「モンクレール」から大抜てきされ、「モンクレールW」のデザインを手掛けた。30代半ばだった相澤さんにとって、大きな挑戦だった。「70年近くもの歴史あるヨーロッパのラグジュアリーブランドで、アジア人の自分がどこまでやれるだろうか」。今までにない規模感の中で、学ぶことは山ほどあった。必死に食らいついた経験や当時の人脈は、現在の仕事にもつながっている。
さまざまなブランドのデザインを手掛け、実績を積んでいった。自身がディレクターを務めるサッカーJリーグ「北海道コンサドーレ札幌」のデザインを担当した際には、いつか地元ライオンズのユニフォームデザインができたらと考えていた。スポーツウェアとデザインの関係性を模索し続ける相澤さんに、数年後、ライオンズ関係者の目が留まる。夢が実現した瞬間だった。
これを機に地元に帰ると、数十年来の仲間と再会し、改めて所沢の居心地の良さを実感した。「仕事柄、いろいろな国や地域を訪れたが、所沢はバランスの取れたまち」と、魅力を語るその目は所沢愛に満ちている。「名所をいくつも挙げられるまちは意外と無い。都心へのアクセスも良く、森や湖、デパート、遊園地、そして野球ドームもある。日本プロ野球12球団の一つが地元にあることは誇り」。

母校「多摩美術大学」で客員教授も務める相澤さん。遠い夢だと思っていたライオンズのユニフォームデザインが現実になった今、「若い人には、やりたいことをやり続ければ、届かなかった夢も近づいてきてくれる、と伝えたい」と話す。「SNSなどの情報が溢れる昨今、閉塞(へいそく)感で自分の力は小さく思える。しかし諦めずに続けることで、少しずつ自信に変わる。人は誰しも挫折を味わうが、乗り越えることで強くなれる。そうやって日本全体がより良くなっていってほしい」。
日々苦難に直面するデザインの世界。それを喜びに変えて、相澤さんは今日も新たな価値を創造している。
(取材:齋藤)

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