国の方針により、学校単位で行われてきた中学校の部活動が、地域単位での活動に変わろうとしていることはご存知でしょうか?
本特集ではこれからの部活動の変化や、中学生や教育現場の声を紹介します。
■部活動の現状
全国的な少子化が進む中、所沢市でも少子化は進んでいます。現在の部活動の体制のままでは、生徒が継続的にスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を確保していくことが難しくなってきており、今から体制を整えていく必要があります。
○少子化問題
所沢市の13~15歳の人口
(1988年1月)16,412人⇒(2024年3月末)8,524人
市統計書から抜粋
親世代と比べて7,888人減
○1運動部当たりの人数の減少
全国の1運動部当たりの所属人数
(2007年)約19.1人⇒(2021年)約16.4人
スポーツ庁作成資料から抜粋
自校だけでチームが組めない!などの問題が発生
■地域展開で変わる部活動
部活動の地域展開とは、地域のスポーツクラブ・文化芸術団体、民間事業者などのさまざまな地域人材(教員の兼職・兼業も可)によって部活動の運営を行うことです。
少子化が進む中で、部活動をより良い形で存続させていくために、地域と学校が連携しながら生徒の多様な活動機会を確保します。
○部活動地域展開のメリット
・専門的な指導を受けることができる
・チャレンジしたい活動の選択肢が増える
・学校生活以外での交流が生まれる
さらに!教員の働き方改革など
■Q&A
Q:休日の地域クラブ活動が始まったら休日の学校の部活動はなくなりますか?
A:当面はなくなりません。2025年度は限定した地域・種目で運営方法を検討します。準備が整ったところから地域クラブ活動に展開していきます。
Q:活動場所までの送迎はどうすれば良いですか
A:希望する種目によっては送迎が必要な場所での活動も考えられます。現在、活動場所への交通手段のあり方についても検討しています。
Q:保護者の財政的な負担は増えますか?
A:今後、会費や保険料、指導料が生じることが考えられます。国や県などが財政支援を検討しています。
■所沢市の地域展開までのスケジュール
所沢市では、まずは休日の部活動を学校や地域と連携しながら、体制が整ったところから地域クラブに展開していく予定です。平日の部活動は当面の間、維持します。将来的に、2028年度を目安に休日の部活動を地域クラブに展開することを目指しています。
■子どもの可能性が広がる部活動にするために
2024年から、「所沢市立中学校地域部活動検討委員会」を発足し、市の部活動地域展開の方向性や手立てについて話し合っています。
検討委員には、学校・PTA・スポーツ団体・文化団体・学識経験者・教育委員会の代表者が参加しています。
○所沢市立中学校地域部活動検討委員会委員・市吹奏楽連盟 副会長 荒幡宏之さん
私は中学校で社会科教師や吹奏楽部の顧問を務め、同委員会に参加しています。
教師生活で、部活動は多くの子どもたちにとって、楽しみでもあり、心身ともに健康に成長するために重要な機会であると感じています。
これからも、子どもや教師、地域にとってより良い形で部活動を存続させるために丁寧に議論していきます。
■地域クラブ活動を体験して
昨年の12月下旬に、上山口中、山口中など複数の中学校の剣道部が合同で、地域指導者の指導を受けて練習を行いました。
実際に練習に参加した皆さんの声を紹介します。
○子どもたちの声
・一緒に練習をやったことがない人と練習することで新しい発見があり、楽しかったです。(山口中 鹿眞さん)
・普段とは違う部活の形式だったので、戸惑うかと思いましたが、地域指導者の方が分かりやすく指導してくれたので、戸惑わずに練習できました。(上山口中 倉本さん)
○山口剣友会 遠藤さん
今回は、子どもたちの成長を見守りたい、地域の力として学校に協力したいという思いで、部活動に参加しました。
子どもたちが地域指導者や他校の生徒と一緒に活動することで、活気がある質の高い練習になったと感じました。
また、我々も子どもたちに囲まれて元気をもらうことができました。
○山口中学校 剣道部顧問 笹目さん
地域指導者や別の学校に通う生徒とコミュニケーションをとり、アドバイスをもらうことができる環境は、技術の向上に限らず、心の成長にとっても、子どもたちのプラスになっていると感じました。
地域指導者が参加することで、私だけでは気付けない部分も子どもたちに指導することができるようになると思いました。
子どもたちの可能性がさらに広がるように中学校の部活動は変わります
問合せ:
スポーツ振興課【電話】2998-9248
学校教育課【電話】2998-9238
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