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自治体の皆さまへ

10月は里親月間です(2)

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埼玉県日高市

■特別対談
日高市長 谷ケ﨑照雄
社会福祉法人同仁学院児童養護施設あいの実施設長 関根歩さん

市長:
本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。
今回は「里親」をテーマにした対談ですが、この企画に至るまでどのような経緯や思いがありましたか。
児童養護施設あいの実施設長 関根歩さん(以下「関根」):
全国では、さまざまな事情により、親と離れて暮らす子どもたちが4万人を超えていると言われています。そうした子どもたちの生活の中心は私たちが運営するような児童養護施設や乳児院となっているのが現状です。
施設では、日頃から子どもたちと真剣に向き合い、子どもたちのためにスタッフ一丸となって対応しています。しかし、子どもたちにとって温かい家庭の中で生活することは非常に大切な時間となります。温かい家庭での生活を送るためには「里親」が必要になります。
どうしたら里親が増えるのかを考えていた時に、「里親」をテーマにぜひ市長とお話したいと思いました。
市長:
令和5年4月1日、「こどもまんなか社会」の実現を目的として「こども家庭庁」が発足し、全ての子どもや若者が将来にわたって幸せな生活ができる社会を実現するための「こども基本法」ができたことにより、これまで以上に子どもの目線に立った支援が注目されています。
子どもたちの健やかな成長を考えた時、子どもたちにとっては温かい家庭の中で生活できる「里親」の存在はますます重要になってきています。
しかし、里親がまだまだ普及しておらず、里親制度を知らない人もたくさんいると感じています。同仁学院さんは令和5年度から県のフォスタリング事業(※)を受託しています。なぜこの事業を受託しようと思ったのですか。
関根:
生まれてから社会に出るまで、施設で生活する子どもはたくさんいます。言い換えると、家庭の中で育った経験がない子どもがたくさんいます。
日本は、こうした社会的な養護が必要な子どものうち、里親の元で生活している子どもの割合は先進国の中でも低い現状があります。
子どもには、成長の過程で信頼できる特定の大人との間で愛着関係を築くことが必要と言われています。
子どもは安心できる関係の中で他者との関わりや将来自分が築く家庭のモデルケースを学んでいきます。里親家庭では、里親の元で信頼関係を育んでいくことができます。そのような里親家庭を少しでも増やしていきたいという気持ちからフォスタリング事業を受託しています。
市長:子どもにとっては、家族から注がれた愛情の中で育つことは、とても大切なことですので、里親制度についてもっと社会の理解を深めていく必要がありますね。
関根:
施設の定員が多いわけではなく、子どもたちの受け入れにも限界があります。
また、予算、場所、人材確保などの問題があり、簡単に施設を増やすことも難しいのが現状です。
しかし、社会的養護を必要とする子どもたちは待ったなしです。子どもたちが安心して生活できる場所を提供するためにも里親の存在は不可欠です。
里親制度を多くの皆さんが知って、里親の登録をしていただくことにより、子どもたちが生活できる場所の選択の幅が広がることはとても重要になっています。
市長:フォスタリング事業を受託されて以降、里親に関する相談状況はいかがですか。
関根:
少しずつではありますが里親に関する問い合わせや相談が増えています。フォスタリング事業受託前から、市と協力して市民まつりなどのイベントを通じてPRしている成果も出てきていると感じています。
また、里親としての登録までに至らなくても、興味を示していただけることは非常にありがたいです。里親に興味のある人が、周りの皆さんと里親について話題にしていただく、こうした積み重ねが里親の周知につながっていると感じています。
市長:著名人でも里親になられている皆さんも多くいらっしゃいますね。市としても里親制度が少しでも広まるように、これからも同仁学院さんと協力して里親をPRする機会を増やしていきたいと思います。
関根:
里親には、養子縁組ではなく、短期間だけ養育する制度もあります。そのような制度があることを知らない人もたくさんいますが、短期間の里親ならできる、やってみたいという人も多くいらっしゃいます。
私たちも市と連携してPRに努めていきたいと思います。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
市長:こちらこそ、ありがとうございました。

問い合わせ:こども家庭センター(子育て応援課内1階(6)番窓口)
【電話】042-989-2111

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