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日高市の水道~水道よもやま話(4)~

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埼玉県日高市

前回は、水道の管路について紹介しましたが、今回は水道事業の経営状況をご紹介するため、水道事業における経営分析の方法や内容について質問形式で説明します。

Q.経営状況の把握に効果的な経営分析ってなに?
A.水道事業の決算書類である、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を分析し、経営状況を客観的に見ることを経営分析といいます。経営分析の方法には、決算の財務データから実数を経年比較する実数分析や、財務諸表などの複数項目から比率を算出する比率分析があります。この分析によって、経営状況を数値で表したものを経営指標といいます。

Q.水道事業で使われる経営比較分析表ってなに?
A.水道事業における経営指標は100項目以上あり、経営の健全性や収益性を表すものなどさまざまです。経営状況を分析する上では、事業の特性や目的に合った経営指標を選ぶ必要があり、水道事業の特性を踏まえ、総務省が推奨している経営指標を用いて経営分析したものを、経営比較分析表といいます。

Q.水道事業の経営比較分析表にはどんな経営指標が公表されているの?
A.以下の3種類について説明します。
(1)経常収支比率(%)
経常的収益を経常的費用で除した割合になります。100%未満では収支が赤字であることを示し、経営改善が必要となります。令和4年度の水道事業では、給水人口の減少や節水機器の普及による給水需要の減少などから94.12%となり、必要な費用を収益で賄えていません。

(2)流動比率(%)
1年以内に支払うべき債務に対して、現金などの保有率を示す指標であり、100%以上である必要があります。令和4年度の水道事業では969.47%となり、この指標は全国平均である357.74%を上回っています。
一般の家庭に例えると、貯金が多い状況です。よって、収支が赤字であっても貯金があるため、水道の供給がすぐに滞ることはありません。

(3)管路経年化率(%)
法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示す指標で、管路の老朽化度合いを示しています。令和4年度の水道事業では29.64%となり、全国平均である21.69%より高い値を示しています。昭和46年の給水開始以降、数回にわたり進められた水道拡張事業により布設された管路が、順次法定耐用年数を経過しつつあることから、今後も指標値の上昇が見込まれます。

Q.結局のところ水道事業の経営状況ってどうなの?
A.水道事業を取り巻く環境は、物価高騰や人口減少などの影響を受け、楽観できる状況ではありません。令和4年度においては、給水人口の減少など給水需要の減少により、収支はマイナス(赤字)となりました。これまでの蓄えにより、経営状況がすぐに傾くことはありませんが、耐用年数を経過する管路や災害に強い水道施設の更新などに、計画的に取り組むための財源を確保する必要があります。

水道事業では、経費の縮減や財政計画の見直しに取り組み経営改善に努めていますが、給水人口の減少などに伴う給水収益の減少や老朽化等による水道施設の維持管理費の上昇などが見込まれ、厳しい経営環境が続くことが予想されます。
次世代まで安心・安全な水道水をお届けすることが水道事業の責務であり、持続可能な水道事業運営のため、より一層の経営改善に取り組みます。今後とも水道事業への変わらぬご理解とご協力をよろしくお願いします。

問い合わせ:水道課経営総務担当
【電話】042-989-2363

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