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平井信行さんと考える防災 自分と大切な人の命を守るために私たちが今できること(1)

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埼玉県春日部市

近年、増えている台風や線状降水帯から、自分や大切な人を守るために何ができるのか。かすかべ親善大使の平井(ひらい)さんと市の危機管理防災課職員・池田(いけだ)さん、横山(よこやま)さんが、台風2号での稼働の跡が残る首都圏外郭放水路で語り合いました。

・かすかべ親善大使・気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー 平井信行(のぶゆき)さん
熊本県八代市出身、平成8年より春日部市在住。現在は「首都圏ニュース845(NHK総合)」などに出演する他、環境教育、防災教育や気象予報士の育成などに携わる。
・春日部市危機管理防災課 職員 池田さん、横山さん

■「私はどうしたらいいですか」 あの日多かった問い合わせ
各地に大きな被害をもたらした、令和元年東日本台風、いわゆる台風19号。平井さんや春日部市職員も対応に追われていたそう。
平井:前日の夜はずっとテレビ局で仕事をしていました。一級河川の氾濫や大規模土砂災害など、これまで災害が起きなかった地域も危険ですと、一晩中お伝えしていました。
池田:春日部市ではあの時初めて避難勧告(当時。現在は廃止され、避難指示に統一)が出て、避難所を開くことに。僕もずっと対策本部に詰めていましたが、市民の方からひっきりなしに電話がかかってきました。一番多かったのが「私はどうしたらいいの?」というもの。お住まいの住所をお聞きしてハザードマップを確認し、1件1件対応しました。
横山:私は当時まだ学生で、家にいたのですが、そこまで危険だったことを全然知りませんでした。防災行政無線も流れていたようですが雨が強すぎて全然聞こえなかったんです。

■マスメディアと行政 それぞれの情報発信
平井:私は市内に住んでいるのですが、先日の令和5年台風2号の時も、この道路が通行止めといった細かい情報が春日部市のツイッターなどで発信されていて、大変役立ちましたね。
池田:あまり頻繁に流しても、煩わしく思う方もいるかもしれません。しかし、SNSは知りたい情報を自分で取りにいけるメディアです。情報を求めている人に届けられるよう、夜間でしたが市WEBやメール、ツイッターで発信していました。
平井:私は放送では、ハザードマップを見て、浸水する高さが2mまでならご自宅で垂直避難をするように、といった視聴者の方がご自身の行動の参考としていただけるようなアドバイスを入れるように心掛けています。マスメディアは一斉に多くの方に伝えられるメリットがあるからです。一般的にこの場合はどうするべきかというマスメディアによる広い発信と、今この場所はどうなっているのかという行政からのピンポイントの情報発信、その両方が必要ですね。

■普段から気象情報を見慣れておくことが大切
平井:私がお勧めしているのはキキクルという気象庁のサイトです。これは水害危険度分布が色分けされ、10分ごとの危険度が何丁目レベルで分かります。
そして、気象情報で気にしていただきたい要注意ワードは「台風」と「線状降水帯」。ここ数年気象庁によって名前がつけられた気象災害は台風か線状降水帯のどちらかです。この単語が出てきたら、ご自身で作成しておいたマイ・タイムライン(防災行動計画)に沿って行動すると決めておくといいですね。
池田:マイ・タイムラインは、急に作ろうと思っても難しいので、平時に作成しておくことが大事ですね。
横山:危機管理防災課では、マイ・タイムライン作成のアドバイスもしています。それぞれご自身やご家族の状況に合わせて、準備や避難方法をご提案していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
平井:いざというときにパニックにならないために、普段から気象情報を見慣れておくことが大事ですね。自分の命は自分で守る=自助がないと周りの人を助けられません。周りの人と励まし合って助け合う、これが共助です。それができてからやっと行政などの公の助け=公助になります。まずは自分で判断できること。ほんの少しの意識の差が、生死を分けます。情報に対する感度を高めて、いざというときに適切な避難行動を!

取材協力:国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所

■首都圏外郭放水路とは?
首都圏を水害から守る全長6.3kmにわたる世界最大級の地下放水路。中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川があふれそうなときに、洪水の一部をゆとりのある江戸川へと流します。見学会も開催中!

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