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次世代につなぐ 春日部の伝統芸能

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埼玉県春日部市

市内には獅子舞や神楽(かぐら)、やったり踊りといった無形の民俗文化財が伝承されています。これらの伝統芸能を継承しているのは、仕事や生活と両立させながら、稽古を積み重ねている私たちの身近な人たちです。祖先から引き継ぎ、現代に合わせて柔軟に変化しながら地域の文化財を守る人たちに話を聞きました。

■女性を入れるか中止にするかの選択
「物心つく前から獅子舞に触れていた」と語る3人。練習場所に行くとお菓子をもらえるのにつられて出入りするうち、笛や太鼓などのお囃子(はやし)として参加。銚子口の獅子舞は、かつては神社の氏子の長男のみ、近年も男性のみに引き継がれてきた伝統芸能でした。しかし舞手が不足し、保存会の皆さんは「舞手に女性を入れるか、中止してお囃子だけの披露にするか」の二択を迫られることに。そこで当時高校生になったばかりの日向つぐみさんに白羽の矢が立てられます。日向さん自身も「舞いたい」という思いがあり、親戚の許可も得て、2018年、舞手としてデビュー。翌年友人の神谷響さんも舞手として加わり、現在中学生である妹の美月さんも参加。「どんどん舞える演目も増えてきて楽しいです」と日向さん。
舞うときに心掛けているのは「私は取りあえず楽しもう。練習通りやろうと思っています」(響さん)。「女(め)獅子なので、男性に負けない力強さやしなやかさ、繊細さが出せればと意識しています」(日向さん)。
銚子口の獅子舞を「このままずっとつなげていきたい」という3人。「どんどん女子も増やしていければ。あと外国の人からも興味を持ってもらえそう」(美月さん)、「SNSとかでも発信したいですね」(響さん)と、活動を広げるためのアイデアもあふれますが、まずは実際に見てもらいたいと言います。
「いつもは体験しない非日常の空間を楽しんでほしいです」(日向さん)。

■地元の伝統芸能を見に行こう!
7月は市内各地で埼玉県や春日部市の指定を受けている無形民俗文化財が公開されます。
地域に伝わる伝統芸能をぜひ見に行きましょう。
楽しむためのポイントもご紹介します。
⇒さまざまな伝統芸能に足を運んで見比べてみてください!

Q.他に見られる機会はないの?
公開は基本的に祭礼の時に限られますが、広く知っていただきたいという趣旨から、年1回、複数の伝統芸能を舞台で披露する「春日部市民俗芸能公開事業」を開催しています。
※本年度の日程などは、決まり次第別途お知らせします

Q.自分も参加してみたい!
地域内在住の氏子の長男など制限があるのが一般的な習わしでした。
しかし後継者不足は全国的にも課題であり、市内の各団体も制限が緩和されつつあります。それぞれの保存会によって受け入れ体制は異なりますが、ぜひ積極的にお声掛けください。

◇01 銚子口の獅子舞
Choushiguchi no Shishimai
日時:7/14(日)14:00~15:30
場所:銚子口香取神社
神社境内で五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願して舞われます。伝統的な「一人立三頭獅子(ひとりだちさんとうしし)」という、一人が一匹の獅子頭(ししがしら)をかぶり、太夫(たゆう)獅子、中(なか)獅子、女(め)獅子という三匹による華麗で勇壮な舞が特徴的です。

◇02 やったり踊り
Yattari Odori
日時:7/13(土)20:00~21:40
場所:大畑香取神社
神社境内で扇子踊りと手踊りが舞われます。そろいの浴衣に赤の上げ鉢巻き、白足袋に赤の鼻緒の草履という装束も特徴的です。「小若(こわか)」(地区のこどもたち)による踊りも披露されます。

◇03 不動院野の神楽
Fudouinno no Kagura
日にち:7/13(土)、14(日)
場所:春日部夏まつり会場
内出町(うちでちょう)と八丁目下組の山車(だし)の上で囃子と神楽が披露されます。軽妙な音色の囃子が特徴的です。幸松小学校で神楽に触れた大学生や高校生も担い手として活躍しています。

◇04 榎の囃子神楽
Enoki no Hayashikagura
日時:7/14(日)11:00~12:00
場所:榎集会所
地区内の辻切(つじき)りの後、榎集会所で神楽が舞われます。大黒舞(だいこくまい)や獅子舞などの伝統的な演目が披露されます。江戸川小中学校での「総合的な学習の時間」に神楽や囃子を教えています。

◇05 西金野井の獅子舞
Nishikananoi no Shishimai
日時:7/21(日)10:00~17:30
場所:西金野井香取神社
神社境内や参道付近で悪魔払いや五穀豊穣、雨乞いなどを祈願して午前から夕刻にかけて複数回、舞われます。南桜井小学校の伝統芸能クラブの児童も三匹獅子や巫女(みこ)、囃子役に加わります。

◇06 赤沼の獅子舞
Akanuma no Shishimai
日時:7/14(日)13:00~15:30
場所:赤沼神社
神社境内で五穀豊穣、家内安全などを祈願して舞われます。三匹獅子に加え、見ている人を巻き込む軽妙な神楽も特徴的です。小学生を中心としたこども獅子も見どころの一つです。

◇07 倉常の神楽囃子
Kuratsune no Kagurabayashi
日時:7/21(日)9:00~10:30
場所:倉常地区
榎の囃子神楽と出自が同じ深川(ふかがわ)囃子と呼ばれています。今年は神楽の公開は行われず、地区内を回り、大字境の辻4カ所で獅子舞による家内安全と悪疫を追い払う辻切りが行われます。

問合せ:
文化財課【電話】048-739-6811
郷土資料館【電話】048-763-2455

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