朝のドラマから、男女平等について考えてみました。ドラマのモデルは、日本最初の女性弁護士・判事・裁判所所長と聞き、広く一般になじみのある歌や芸能の話から「法律」の話に代わり、万人受けするのかな、と要らぬ心配をしました。
ドラマでは、女性が自分の本心を隠してうまく納めるために、表面を取り繕う時に「スン」という表現が使われます。それに対して主人公は、自分の目で見て、自分で感じ、モヤモヤがあると「ハテ」と立ち止まって自分で考え、言葉に出します。しかし、正面切って「戦う」ような雰囲気ばかりではなく、むしろ「思いやり」を大事にしているように思います。主人公には、「法律家」という私の持つ堅いイメージとは違う、感情豊かな一面が表現されています。
また、主人公のモデルとなった方の時代背景について参考文献を読みましたが、関東大震災前の大正デモクラシーの時代は、思っていた以上に民主的な考えを持っていた人も多く、他にも戦後の民主化の礎となる人材を育んでいたと感じました。
モデルとなった方も主人公とは少し違いますが、やはり人間味あふれる方だったようです。さらに、モデルとなった方だけではなく、一緒に弁護士資格を取得し共に働いた女性3人の影響もあり、主人公が生まれたのではと思います。
21世紀になり、先人の尽力で形式的な男女平等は実現しています。
しかし、男は仕事、女は家事といったジェンダー、終身雇用とパート・アルバイトなどとの経済格差、性の多様性やDVなど、考えるべき事柄は多岐に渡り、尽きることはありません。こんな時代に自分で感じ、考え、表現する主人公が活躍し、ちょっと縁遠い「法律」や「女性を含む社会問題」を取り上げるドラマが生まれ、多くの人が見ることはとても意義があり素敵なことだと思うのです。
※このコラムは、「男女平等推進事業企画・運営協力員」と協働で、日々の生活の中で感じている「男女平等」について、執筆しています。
問合せ:それいゆぷらざ(女性センター)
【電話】463-2697
<この記事についてアンケートにご協力ください。>