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市民病院・ワンポイントクリニック

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埼玉県東松山市

■その痛みもしかしたら尿管結石かも?
泌尿器科医師 矢島亮太(やじまりょうた)
暑い季節になってきました。夏になると多くなる病気の一つに尿管結石があります。なぜ夏になるとなりやすいのでしょうか?今回はそんな尿管結石についてお話ししていきたいと思います。
私たちの体には、腎臓という臓器が背中側の左右に1つずつあります。腎臓は血液をろ過し、尿を生成しています。この尿の量は飲んだ水の量などによって変化していきます。つまり、水を多く飲めば尿量は増え、希釈尿といって濃度が薄まった透明な尿がでます。逆に飲む水の量が少ないと尿は濃くなり、量は少なくなります。この尿が濃縮されることがポイントです。濃縮された尿は、腎臓である成分が沈着し、それが結石として腎臓にたまっていきます。これが腎結石です。腎臓から膀胱(ぼうこう)までは尿管という細い管でつながっています。腎臓にできた結石が尿管に落ち込むことで尿管結石となります。
尿管結石の症状は腰背部痛、血尿、嘔気(おうき)・嘔吐(おうと)などがあります。尿管に結石が詰まることによって腎臓からの尿がうっ滞し、腎臓がある左右の背中周辺が痛くなってきます。この痛みは個人差がありますが、尿管結石は数ある病気の中でもトップクラスに痛みの強い病気の一つなのです。
痛みに関しては痛み止めで対応しますが、治療方法は石の大きさによって変わってきます。大きい結石は手術で石を砕く必要があり、小さい尿管結石は尿として自然に排出するのを待ちます。治療にあたっては、水分をとることが重要です。無理のない程度に飲水しましょう。
尿管結石は突然激痛が襲ってくるおそろしい病気ですが、予防法としても飲水が重要になってきます。夏場は発汗などもあり、脱水傾向となります。体内の水分が足りないということは、尿が濃縮されやすく結石を作りやすくしてしまうため、夏には尿管結石が多いのです。皆さんも常日頃からこまめな水分補給を心がけることをお勧めします。

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