~園長おすすめ ルリカケス~
■南の島の瑠璃
田中理恵子(たなかりえこ)園長
5月号で奄美大島に暮らすアマミトゲネズミをお伝えしましたが、同じ島に暮らす「ルリカケス」という鳥をみなさんはご存じでしょうか?
ルリカケスは奄美大島と周辺の島にのみ生息する日本の固有種で、大きさはハトほどですがカラスの仲間。頭から胸、翼から尾羽まで瑠璃色がとっても鮮やかです。唯一残念なのが決して美しいとは言えない「ギャーギャー」と濁った大きな鳴き声。
私が奄美大島を初めて訪れたのは30年以上も前でした。深くて広い原生林と豊かな青い海と鶏飯の美味しさに感動し、その後毎年の様に職場の仲間や友人を片っ端から誘い、奄美ファンを増やしていきました。最初の頃はアマミノクロウサギやウミガメ、イシカワガエルなどを探し求め、ギャーギャーうるさいルリカケスはいつでもあえるだろうと思っていました。しかしあるとき「こんなに奄美に来ていて鳴き声は聞くけど姿をちゃんと見てない」と気づいたのです。地元の方に聞くと「そんなもんカラスみたいにそこら中にいるよ」と言われ、悔しくて探し始めましたがそんなときほど見つかりません。「絶対にあの瑠璃色を写真におさめてやる!」とレンタカーでキョロキョロ探していると何の変哲もない道路わきの木に数羽みつけました。そのときに陽のあたり具合で変わっていく瑠璃色の美しさに驚きました。不思議なことに鳥の羽の色は日差しや見る角度でその色が変わることがあります。何年も通っていたのに、はじめてルリカケスの美しさに気づきました。
このルリカケスの展示が11月から始まります(多分…)。ぜひみなさんも晴れた日に瑠璃色を見に来てくださいね!
※12月号は植物ZOO鑑です。
○埼玉県こども動物自然公園
〒355-0065 岩殿554
【電話】35-1234【FAX】35-0248
※開園時間等はホームページをご確認ください。
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