■その気になる目の症状、ドライアイかもしれません
眼科医師 栗田淳貴(くりたじゅんき)
近年、コンタクトレンズの使用や、パソコンやスマートフォンを長時間使う機会が多くなるにつれ、ドライアイを発症する方が増えています。ドライアイは、目の表面を覆う涙の層のバランスが崩れることで、様々な症状を引き起こす疾患です。
涙は、目を潤し乾燥から保護するだけでなく、目の表面の細胞への酸素や栄養の供給や、菌・異物などの外敵からの保護、目の表面を滑らかにしてものを見やすくするなどの働きがあります。涙は水分と油分と粘液がバランスよく層状の構造をとることで、そうした働きをします。ドライアイはそのバランスが崩れてしまうことで生じます。
ドライアイの症状は、乾燥感のみならず、かすみや異物感、目やに、充血、かゆみ、まぶしさ、涙が出るといった具体的な症状から、目が疲れやすい、なんとなく不快な感じがあるなどの漠然とした症状として現れることも多くあります。ご高齢の方や女性に多いとされており、特にコンタクトレンズの使用者や、パソコンやスマートフォンを長時間使う方に多く見られます。
ドライアイの治療は、第一に点眼薬になります。点眼をすることで目に水分が供給され、涙のバランスが整うことで症状が抑えられます。また、点眼以外にご自身でできることとして、コンタクトレンズの正しい使い方を守る、目を休める時間を作って酷使しないようにする、意識的に瞬(まばた)きを多めにする、目を温めるといった行為が有効です。加えて、エアコンを使用する際は直接当たらないようにする、加湿器を使用するなども有効です。また、まつ毛用のシャンプーが効くこともあります。
ドライアイは、日常生活への影響も大きく、ストレスとなることが多い疾患です。ドライアイかもとお思いになった際には、ご自身で判断せず、ぜひ眼科を一度受診いただければと思います。
○ドライアイ チェックシート
・目が疲れる
・目が乾いた感じがする
・ものがかすんで見える
・目に不快感がある
・目が痛い
・目が赤い
・目が重たい感じがする
・涙が出る
・目がかゆい
・光を見るとまぶしい
・目がごろごろする
・目やにが出る
上記5つ以上に当てはまる場合、ドライアイの可能性があります
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