~園長おすすめ コツメカワウソ~
■やんちゃ坊主が生まれました
田中理恵子(たなかりえこ)園長
2017年8月号で、コツメカワウソ舎のオープンの記事を書きました。その時にフランスの動物園からやってきた雄がとてもやんちゃで、放飼場の木々や草を食いちぎり、泥を掘りまくり、毎日何かを破壊している…というお話をしました。そのすぐあとに大阪の動物園からやってきた雌との相性が良く、繁殖も数回成功してくれました。そして今年の3月、世代も入れ変わり新たなペアが妊娠していると情報が入りました。
このペアは、両方とも繁殖経験がありません。要するに出産も子育ても初めて。そして担当の飼育係もカワウソの繁殖に立ち会うのは初めて。初めて尽くしの2頭と一人を、私も緊張しながら見守っていました。動物は初めて出産を迎える時、生まれた赤ちゃんを認識できずに育児を放棄したり、赤ちゃんを殺してしまうことがあります。飼育係は動物へのストレスが最小限になるように環境を整え、どんな状況がおこっても対応できるように準備をします。
3月25日、巣箱の中で赤ちゃんが生まれた気配がありましたが、担当者はあえて巣箱をのぞかず、新しい寝床材(麻袋)をそっと用意し、鳴き声だけを頼りに見守り続けました。2週間後、親が落ち着いてきたので巣箱をのぞいたら小さな赤ちゃんが3頭寝ていたそうです。
ちゃんと育っている、ということがわかればまずは一安心。あとはスクスク大きくなって、目が開いて、歩き出して、水に慣れて、が順調に進めば展示場デビューです。
生まれて2か月後、初めての雌雄判別が行われました。結果はなんと、ぜーんぶ雄。やんちゃ坊主が3頭です。「破壊王が3つも…」いえ、元気であればいいんです。
※8月号は植物ZOO鑑です。
○埼玉県こども動物自然公園
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【電話】35-1234【FAX】35-0248
開園時間等はホームページをご確認ください
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