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埼玉県こども動物自然公園 動物ZOO鑑

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埼玉県東松山市

~園長おすすめ キリン~

■キリンのお引っ越し
田中理恵子(たなかりえこ)園長

「動物園の動物ってどこからつれてくるんですか?」ときどきそんな質問がきます。50年も100年も前なら「野生の動物を捕まえてね…」なんて答えが普通だったのかもしれません。しかし、捕獲による減少と爆発的な開発ですみかを奪われた多くの野生動物を守るため1975年に動物を商業取引の対象にしてはいけないという世界的なルール「ワシントン条約」ができました。そこで世界中の動物園は、野生から捕まえてくるのではなく、生まれたこどもを交換したり、譲ったり貸したり、という方法で動物たちの数を維持していきましょう、となったのです。
6月17日、当園生まれの雄のキリン「マリスケ」の引っ越しの日です。千葉の動物園へ婿入りが決まったのです。あんなにも大きなキリンをどうやって運ぶのか気になりますよね。大きなトラックに積んだ大きな輸送箱で運ぶのです。しかし神経質なキリンを輸送箱にいれることは至難の業です。2週間以上も前からキリン舎の一室の出入口に輸送箱をつけ、大好きな餌をおいて中に入って食べることに慣れてもらいます。なかなか用心深く箱に近づきすらしない個体もいますが、マリスケは動じずにすぐに入ってくれました。引っ越しは必ず休園日に行います。朝一番にほとんどの飼育係がキリン舎に集合して、キリンが箱に入ったらすぐに蓋をしてカバーをかけ、クレーンでつってトラックに乗せるという作業を最短時間で行います。もちろん真夏や真冬の引っ越しはキリンへの負担が大きいため実施しません。
その日の午後、引っ越し先の動物園の園長から「無事に到着しました。元気に餌を食べていますよー」と連絡がきて、やっとホッとしました。
どんな動物でも引っ越しはいつもドキドキですが、特にキリンは一大事なのです。

※10月号は植物ZOO鑑です。

○埼玉県こども動物自然公園
〒355-0065 岩殿554 
【電話】35-1234【FAX】35-0248
開園時間等はホームページをご確認ください。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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