謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は市政全般にわたりご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
令和7年は、市の最上位計画である「第五次東松山市総合計画」の後期基本計画の最終年度を迎えます。後期基本計画では「観光振興」「産業振興」「子育て支援」「防災・減災対策の推進」「地域福祉の充実」の5項目を重点課題として位置づけ、総合計画に掲げた目指すべき将来像である「住みたい、働きたい、訪れたい 元気と希望に出会えるまち 東松山」の実現に向けて、各種施策を展開しています。
観光振興では、「東松山ぼたん園」は新たな企画に取り組むことで、有料期間中に2万5千人を超える来園者がありました。このほか、化石の発掘体験が室内でも行える「化石と自然の体験館」、イチゴの摘み取りや果樹・農産物の収穫体験ができる「東松山市農林公園」、愛らしい姿から世界一しあわせな動物とも言われるクオッカを国内で唯一飼育している「埼玉県こども動物自然公園」、国重要文化財に指定された「箭弓稲荷神社」など、市内の観光拠点を活用するとともに、高速道路への良好なアクセスを生かし、近隣の観光協会、JAFなどと連携した広域的な観光イベントを実施するなど、首都圏からの来客を呼び込む取組を行うことで、さらなる地域活性化を図ってまいります。
産業振興では、地域ブランド品認定制度「ひがしまつやまプライド」を活用し、各種イベントでの出品・販売等を通じて、認知度を高めてまいります。また、東松山駅・高坂駅周辺の空き店舗を活用して積極的に出店しようとする事業者を支援するため「空き店舗対策事業制度」を実施することで、駅周辺の活性化を推進します。さらに、利便性の高い交通網などを生かした企業誘致を継続するとともに、事業所の拡張・設備投資に取り組む企業へ支援を行うことで産業の振興を図ってまいります。
農業振興では、農業塾や農林公園での農業体験に加え、就農相談を実施し、担い手の育成・確保を進めるとともに、鳥獣被害・雹(ひょう)害対策への補助事業を継続し、市の特産品である梨や栗の産地継続に向けた取組を実施してまいります。
子育て支援では、妊産婦や子育て世帯、こどもへの一体的な支援を行う「こども家庭センター」を開設しました。また、産婦の孤立感や育児負担、心身の不安の軽減を図ることを目的として「産後ケア事業」を開始しました。
「第2子以降の保育料無料化」については、対象に認可外保育施設も加えることで、子育て世帯における保護者負担のさらなる軽減を図っています。また、昨今の物価高騰対策として、保育園等の給食や放課後児童クラブのおやつ、学校給食の食材費の高騰分を市が補填することで、安全・安心で質を維持した食材の提供を支援してまいります。
防災・減災対策の推進では、令和元年東日本台風被害を踏まえた「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」のハード対策である堤防整備や遊水機能の確保などについて、国や県と連携して進めてまいります。
自主防災組織リーダー養成研修や、災害時に配慮を必要とする避難行動要支援者の支援、福祉避難所の開設訓練を実施することで、実効性の確保に取り組みます。
また、頻発する自然災害に備え市街化区域の内水氾濫リスクを把握するため、想定最大規模降雨に対する内水浸水想定区域図を作成するなど、地域の防災・減災対策の取組を進めてまいります。
地域福祉の充実では、「第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、医療と介護の連携強化、生活支援体制の整備、認知症施策の推進を柱とする地域包括ケアシステムをさらに進めてまいります。
「心のこもった地域福祉プロジェクト(ここプロ)」は引き続き全市的に取組を進め、高齢者の「楽しみたい、働きたい、貢献したい」という思いの実現を支援します。また、高齢者の健康づくりや介護予防の意識向上につながる「いきいきパス・ポイント事業」の拡大・充実を図ります。
各地区シニアクラブへの加入促進への協力等を行い、高齢者がいつまでも自分らしく住み慣れた地域で安心して暮らすことができるまちづくりを継続して進めてまいります。
さて、次年度は令和8年度から始まる第六次東松山市総合計画策定の年となります。これまで歴史と伝統を引き継いでこられた皆様に感謝しつつ、10年後の東松山市を見据えた計画策定を進めてまいります。
本市は東洋経済新報社「住みよさランキング」において、3年連続で県内第1位となりました。まちづくりの成果として「住みよさ」の好循環をさらに高めつつ、花とウォーキング、そしてノーベル物理学賞受賞者である梶田隆章博士が生まれ育ったまちとして、引き続き市民の皆様が住んでいることを誇りに思えるまちづくりを全力で進めてまいります。
結びに、本年が皆様にとりまして、素晴らしい年となりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
東松山市長 森田光一
<この記事についてアンケートにご協力ください。>