■自分の価値とは
鈴木勝
メジャーリーガーである大谷翔平選手のトレードが話題になった時期があった。日本球界においても、トレードという言葉が使われるようになったのは、そう古くはないであろう。
「愛社精神」が強い日本人には、トレードという言葉は、今の会社から不必要になったと思い、なかなか受け入れられないものであった。
諸外国では、トレードは自分を必要としている会社があるという認識であり、自分自身の評価を認められたというシステムである。類義語にヘッドハンティングという言葉もあり、給与も上がる、いわゆる引き抜きである。
人は、今の仕事が自分自身にとって最上の仕事であるかどうか悩むときがある。ある本に「自分自身を高額で雇ってくれる職場が使命と受け止めればよい」とあった。多くの人は、悩みを抱え、懸命に働きながら生きている。
しかし、高額の仕事=使命と断定することは、いささか安易ではなかろうか。自分自身の価値を決めるのは、芯をもってやり抜く力であり、そうすることで、周囲の評価が自然と高まるものであると、私は考える。
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