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文化財を訪ねて―見てある記―

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埼玉県桶川市

■「桶川祇園祭(ぎおんまつり)と子ども囃子(ばやし)」
7月15日の朝、お囃子の音色を合図に、桶川は大きな賑わいをみせます。
桶川の祇園祭は、中山道桶川宿の路上にあった市神(いちがみ)の祭礼として、江戸時代の元文(げんぶん)3年(1738年)に始まったと伝えられています。夏の疫病退散を願う祭礼は、宿場の発展とともに、華やかなまちの祭りへと成長していきました。
祭りの日には、神輿(みこし)や山車(だし)が設置され、神輿担ぎや山車の曳き回しが夜まで行われます。また、訪れた人々で賑わう路上を彩る山車の上では、本街(ほんまち)・榮会(さかえかい)・八雲会(やぐもかい)の3町会の子どもたちによるお囃子が演じられます。15日の午後に各町会の山車が向き合い、お囃子を競演する「ひっかせ」は、子どもたちが練習の成果を発揮する晴れの舞台です。

◇人びとがつなぐ子ども囃子
コロナ禍により、桶川祇園祭が中止になると子ども囃子も活動休止を余儀なくされました。
お囃子ができない子どもたちを憂いた3町会は、令和3年に「桶川子ども囃子連合会」を結成し、合同発表会を2年連続で開催しました。
昭和の時代にも祇園祭や子ども囃子が休止となったことがありました。その際は、上日出谷、川田谷地区から指導者を招き、子ども囃子を再開したとのことです。
桶川の祇園祭と子ども囃子は、休止となっても地域の皆さんの協力により現在まで紡がれています。

◇子ども囃子3町会 本街・榮会・八雲会
本街の子ども囃子は、昭和47年に組織され、子どもたちの保護者が指導を行っています。お囃子は、現在のさいたま市桜区で生み出された神田囃子の木下流を伝承しています。また、踊りは太鼓と鉦(かね)の音に合わせながら収穫を祝う「きつねともどき」と、2人が楽しく遊ぶ様子を表現した「おかめとひょっとこ」の2演目が伝承されています。
榮会の子ども囃子は、町内の子ども会を中心に発足しました。子ども会が解散した後も、お囃子の練習に励んだかつての子どもたちや町会の皆さんによって活動が続いています。演目には、軽快に演じられるお囃子に合わせておかめとひょっとこが舞う「岡崎(おかざき)」があります。
八雲会の子ども囃子は、下日出谷地区と地元の皆さんによって復興されたもので、成長した町会の若者たちが指導者となっています。3町会の中では、唯一踊りがないのが特徴で、軽快さが特徴の「六(むく)サリ」や「若囃子(わかっぱやし)」「鎌倉」の3演目をツケ(小太鼓)やタマ(大太鼓)などを使って子どもたちが奏でています。
4年ぶりに開催される桶川祇園祭。各町会では、当日に向けて6月から練習を始めています。練習の成果を発揮する子どもたちとともに、祭りもまた成長を続けています。

問合せ:文化財課
【電話】786-4009

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