■獅子舞始めました
煌びやかな神輿や山車が練り歩き、旧中山道が1年で最も賑やかさに包まれる桶川祇園祭。それに彩を添えるのが「お囃子」です。お囃子を上演する団体のうち榮町囃子連(さかえちょうはやしれん)では、今年から新たに獅子舞を取り入れました。これは囃子連の若手の熱望により実現したものです。
獅子舞は、新井敏昭(あらいとしあき)さんの指導のもと、半年間、練習を重ねてきました。獅子の動きには30の型があり、それを演じ手が自由につなぎ合わせて舞います。
指導を受けた渡辺夏理(わたなべなつり)さんと和智聡里(わちさとり)さんは、「決まった動きがないのが逆に難しい。獣らしい動きを体現するのが特に難しかった」と振り返ります。
そして迎えた7月15日夜の初上演。山車の上では、和智さんがやや緊張した面持ちで獅子頭をかぶります。
「おかざき」という曲目に合わせて、獅子舞が始まりました。当初想定していなかった「子どもの頭噛み」もアドリブで対応。沿道から歓声が上がるほどの盛り上がりを見せました。
若手の奮闘を見守る囃子連副会長の宮原文子(みやはらあやこ)さんは、「新しい試みが始まったことを大変嬉しく思う。獅子舞の話が人から人へと伝わり、コミュニティの輪が広がっていけば」と話します。獅子舞を指導した新井さんも、「囃子と獅子舞の息が合っていたね」と二人の舞を絶賛。
囃子連会長の黒須秀一(くろすしゅういち)さんは、「これまでにはなかった『新たな風』が吹いている。若手の取り組みをサポートしていきたい」と、獅子舞の今後に期待を滲ませます。
半世紀以上にわたる榮町の囃子の伝統の中で、またひとつ新たな伝統が生まれました。
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