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【特集】男女共同参画の視点を取り入れた防災

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埼玉県桶川市

■桶川市男女共同参画情報紙「かがやき」(※1)vol.30
令和6年1月に起きた能登半島地震、豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなど、異常気象による災害が後を絶ちません。いつどこで災害が起こるか分からないという状況にあります。
また、被災地のこれまでの災害の取り組みからは、女性や支援が必要な人たちが抱える困難さが明らかになり、改めて多様な視点に立った災害対策が重要であることがわかりました。
被災地の取り組みから学び、自分たちができること、すべきことを一緒に考えてみましょう。
(※1)男女共同参画情報紙「かがやき」について
桶川市男女共同参画推進条例に基づき、男女共同参画社会形成に向けた啓発推進の一環として、男女共同参画情報紙「かがやき」を作成しています。編集委員は、市内在住・在勤・在学の満18歳以上の人を公募によって毎年選出しています。

◆避難所生活での具体的な問題点…
・子どもが泣き止まないことをどなられた
・生理用品や下着が不足していることを言いにくかった
・性暴力など様々な暴力が起こり被害に遭った人がいた
・食事作りは苦手なのに女性ということだけで担当していた
・トイレが男女共同で使いにくかった
・いつも飲んでいる持病の薬がきれてしまった
・不自由な身体で避難所での生活は困難だった
・プライバシーが守られず落ち着かなかった

○これらの問題が起きる理由とは?
・災害時の方針決定の場で女性や支援が必要な人たちなどの声が届きづらい
・男性を中心とした避難所運営や女性の仕事が炊事に偏るなど「固定的な性別役割分担意識」が強い

◆桶川市の災害対応について安心安全課に聞きました!
○現状と課題
現状:
・女性や支援が必要な人たちに配慮した備蓄(女性用の下着や生理用品、紙おむつなど)に努めています。
・男女のニーズの違いに配慮した避難所運営(男女別更衣室・トイレ、授乳場所、男女ペアで行う巡回警備など)を心がけています。
課題:災害時に備え、誰もが安心して生活していくためには、平常時から、男女のニーズの違いに関する理解や普及啓発、相談体制の整備などを進めていく必要があると考えています。

○課題を解決するための市の取り組み
・防災担当職員が男女共同参画の視点による災害対応等の研修に参加するなど、ジェンダー平等に関する知識を深めています。
・市職員による市民向けの防災講話の実施などを行い、多様な視点での防災対策に関する啓発活動をしています。
・防災担当職員の女性比率を増やしています(表1)。

◆男女共同参画の視点から配慮された避難所とは?
・避難所の運営について、女性と男性がともにリーダーになる(女性リーダーが全体の3割以上)
・プライバシーが確保できるスペースでの診察、相談場所を設ける
・授乳室や女性だけが集まれる場所、子どもが遊べる場所の確保
・メンタルケア、健康問題などの相談窓口に男女両方の相談員を配置
・男女別のトイレ、多目的トイレ、更衣室、洗濯干し場を設ける

◆防災・災害対策は多様な視点で
地域には多様な人が暮らしています。年齢や性別、国籍や病気・障害の有無などにより、ニーズや支援が異なります。
住民組織のリーダーは男性が圧倒的に多く、特に被災時には、女性をはじめ、支援を必要とする人たちの声が届きにくい状況となっています。この状況を改善するためには、方針決定過程への女性参画や、固定的な性別役割分担意識の解消をはじめ、多様な視点に配慮した取り組みが必要です。また、日頃から防災訓練、地域の自主防災会、災害ボランティアに参加し、地域の人たちと災害時に支え合える関係づくりをすすめることも大切です。
災害ボランティアの登録についての問い合わせは、桶川市社会福祉協議会(【電話】728-2221)まで

◆編集後記
桶川市に住んでいて、まだ一度も大きな災害に遭ったことはありません。しかし、いつ何が起きるかわかりません。もしもの時に役立つのは、日頃からの心構えや備え、訓練です。
まずは「自分の身は自分で守る」ということを忘れたくないものですね。
作成協力:桶川市男女共同参画情報紙「かがやき」編集委員

◆チェックしてみましょう!
・「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」
・「女性の視点からの避難所チェックシート」
※詳しくは本紙掲載の二次元コードからご確認ください。

◆災害用伝言ダイヤル(171)について
地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板です。

■男女共同参画コーナー「アソシエ」ってどんなところ?
男女共同参画コーナー「アソシエ」は、市役所2階にあります。男女共同参画社会の実現を目指して、男女がともに学習し、交流する場所(スペース)として設置されました。
アソシエでは、男女共同参画に関する図書などの貸し出しやパネル展などを行っています。意見交換や読書スペースとして、ぜひご利用ください。
2月は、パネル展「わたしたちは性犯罪・性暴力を許さない」を行う予定です。

問合せ:人権・男女共同参画課
【電話】788-4907

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