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自治体の皆さまへ

認知症になっても自分らしく!(1)

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埼玉県毛呂山町

令和5年6月14日、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立し、毎年9月を「認知症月間」、9月21日を「認知症の日」としています。
毛呂山町では9月を「オレンジ月間」と定めて、広く認知症について関心と理解を深める月間としました。今回は認知症に携わる横手さんと、福島さんのお二人にお話を伺いました。

■『一人で悩まずに、ぜひ相談を。デイサービスは見学もできます。』
あったかデイ毛呂山 管理者
横手 敬子(のりこ) さん

◇横手さんはこのお仕事が長いのですか?
元々は畑違いの仕事に従事していました。昔からおばあちゃん子で、20代の頃に入院しているおばあちゃんの病院の対応にどうにかならないのか?自分にできることはないのか?介護に携わりたい思いが強くなり、この仕事をしています。あったかホームに入社して20年弱になります。

◇認知症対応型デイサービスはどのような人が利用されているのですか?
認知症の診断があり、要介護認定を受けている人が利用しています。現在は、介護保険で要支援2~要介護4の人がいます。認知症が軽度から重度までさまざまですが、みなさん穏やかです。デイサービズを『第二の我が家』と言ってくれる人もいるので嬉しいです。

◇デイサービスではどのようなことをされているのですか?
午前中は入浴とヨガマットを使う運動をしたり、結構本格的なんですよ‼インスタグラムでも運動の様子を紹介しています。午後からは、外出やカレンダー作成、おやつ作りなど、毎月スタッフが考えたレクリエーションを行っています。この前はショッピングモールのフードコートに行って、みんなで食事をしてきました。意外とステーキやラーメンが人気なんですよ。うどんじゃないの‼(笑)

◇デイサービスに関わる中で、一番の思い出は何ですか?
デイサービスを始めたばかりの時に、朝刊に旅行の広告が入っていて、利用者さんから「旅行に行きたいな」とリクエストがあって、みんなで1泊群馬県に旅行したことがあったんです。利用者さん10人と、職員4人で紅葉の時期の群馬に。行楽シーズンで料金も高かったんだけど、利用者さんの家族も「自分達では連れて行けないから」と、みなさんの宿泊費を出して。みなさんと裸の付き合いをして(笑)入浴していても、全然じっとしていないの。夜も利用者さんのトイレが頻回でウロウロして、全然寝れなかったけど面白かったな~。泊まった旅館で、5年後に届くラブレター(タイムカプセル)企画をやっていて、利用者さんたちは家族に向けて今回の旅行の感想や日ごろの感謝をお手紙に書き、タイムカプセルに託しました。5年後…利用者さんにとっての5年後は色々あります。お亡くなりになった翌年にお手紙が届いた…と家族から連絡を頂きました。亡くなった後に届いた、この一枚のお手紙が大切なものになったと。

◇ご家族や、地域の人へメッセージをお願いします。
認知症になると、記憶力や理解力、判断力の低下がみられ以前までできていたことができなくなったりもします。イライラしてしまう気持ちもわかります。激しく怒鳴ったり叱ったり責めたりすると、心を閉ざす原因にもなります。難しいかもしれないけど、ご本人との『対話』(コミュニケーション)の時間をとってほしいと思います。難しいのも重々わかるのですが…ご家族は十分頑張っていますから…私たち職員はご本人の支えになるのはもちろんですが、ご家族にとっても安心できて、何でも話すことができる存在になりたいと思っています。
デイサービスではたくさんおしゃべりをして、笑顔も多いのに、家に帰ると部屋に籠(こも)っちゃう人もいるんです。「デイサービスではこんな表情するんですね」と驚かれるご家族もいます。後は一人で抱え込みすぎないことですかね?
地域の人には『認知症』という目で見てほしくないな~と思います。「必要なら手を貸すよ」というくらいの発想で声を掛けてあげてほしいです。心配したり気にかけてくれるのはありがたい。認知症があってもなくても「できること」に目を向けて、暖かく見守ってほしいです。

問合せ:
毛呂山町地域包括支援センター【電話】295-2112(内線125・128)
認知症疾患医療センター【電話】276-1486

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