◆新千円札の顔 北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)
新千円札の肖像に選ばれた北里柴三郎は、『近代日本医学の父』として知られる細菌学者・教育者です。
母親の教育方針のもと、幼少期から親戚の家に預けられ、厳しくしつけられて育ちました。
感染率と致死率の高さで恐れられていた『ペスト菌』の発見や全身の筋肉をけいれんさせる病気『破傷風』の予防と治療方法を開発した人として有名ですが、破傷風菌の純粋培養に成功したときはまだ36歳でした。
翌年には免疫抗体を発見し、それを応用して血清療法を確立するなど、これらの業績が認められ世界的研究者として名声を博しました。
◆実はこんな一面も?
1921年(大正10年)当時、日本で使用されていた体温計は海外からの輸入品でしたが、第一次世界大戦の影響で輸入が途絶えてしまいました。そこで、
北里柴三郎ら日本の医学者たちが発起人となり、国産で良質な体温計を作ろうと、医療機器メーカーとして知られるテルモ(株)の前身である赤線検温器(株)を設立しました。
当時、体温計は病院で使うものという認識が一般的でしたが、国産の体温計が家庭に広く普及し、体温を測って健康管理をするという今では当たり前の生活が浸透していきました。
その後、テルモ(株)では体温計だけでなくさまざまな医療機器が開発され、世界中で使用されています。
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