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自治体の皆さまへ

[特集]今こそ対策をしよう 『地震への備え』(1)

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埼玉県深谷市

1月1日に令和6年能登半島地震(マグニチュード7.6、最大震度7)が発生し、大きな被害をもたらしました。地震発生時や長期にわたる避難所生活への対応には、事前の備えが必要です。
今回は皆さんに今一度確認してほしい、地震への備えについて特集します。

■できていますか?地震への『備え』
深谷市内の震度別地震回数(表1参照)を見てみると、過去10年間で275回発生した地震のうち、震度4は2回、震度5弱は1回となっており、震度5強以上の大きな地震は発生していません。
しかし、埼玉県の調査によると、今後30年以内の地震発生確率はほぼ0%~0・1%ですが、関東平野北西縁断層帯地震(かんとうへいやほくせいえんだんそうたいじしん)が発生した場合、深谷市では震度が6弱以上となることが想定されています(図1参照)。
このほかにも県内に影響をおよぼす4つの地震が想定されており、いつどこで起きるか分からない地震に備えておく必要があります。
地震の特徴として、事前に予測ができないこと、また、被害は一瞬で起こることが挙げられますので、地震への備えは特に『事前に』、『日ごろから』行っておくことが最も大切です。
地震への備えとしてまずは、下記のチェックリストを使って、今一度、地震への対策が十分か確認してみましょう。

[表1]深谷市内の震度別地震回数
・震度1…180
・震度2…66
・震度3…26
・震度4…2
・震度5弱…1
・震度5強以上…0
・合計…275

気象庁震度データベース
期間:平成26年3月1日~令和6年3月1日の過去10年間

[図1]想定地震の断層位置図
平成24・25年埼玉県地震被害想定調査を基に作成
※詳細は本紙P.2をご覧ください。

■当てはまらなかったら要注意!地震対策チェックリスト
▽屋内の対策
・家具などの転倒防止対策をしている
・窓ガラスの飛散防止対策をしている
・家具の転倒のおそれのある場所に寝ないなど、家具の配置を工夫している

▽屋外の対策
・自宅などの建物が耐震化されている

▽家庭での対策
・避難所や避難場所、地域の危険な場所を知っている
・災害時の家族の連絡方法や集合場所を決めている
・備蓄品、非常持ち出し品の準備をしている
・災害時に情報を入手できるように準備している

■まずはハザードマップを確認しましょう
市が発行しているハザードマップは、災害発生時の被害の想定をお知らせし、備えてもらうための情報を1冊にまとめた冊子です。
上のチェックリストでチェックできていない項目があるかたは、備蓄や家具の固定などの身近な部分であれば、すぐに対策できます。記載されている『地震想定マップ』や命を守る事前の備えを参考にして、対策をしましょう。
また、水害時における市内の浸水想定や避難のタイミングなどについても確認し、水害にも備えましょう。ハザードマップはWEB版もあります。ぜひご利用ください。

■令和6年能登半島地震の被災地で活動した職員に聞きました
これから起こるかもしれない地震に備えて、どのような準備をしておくと災害時に役に立つのでしょうか。実際に被災地に派遣された職員に聞いてみました。

Q.現地の被災状況はどのような様子でしたか?
避難所までの道のりでは、屋根にブルーシートをかけた家が目立っていました。ほかの地域では全壊や半壊の建物も多くあったようです。道路は、ひび割れや波打ち、隆起している箇所が多く、大きな地震であったことが容易に想像できる被害が出ていました。

Q.避難所運営の支援を通じて感じたことはありますか?
避難所では、必要物資の取りまとめや仮設トイレの清掃、体調不良者の有無の確認など、想像以上に避難者が自主的に団結して避難所運営を行っていました。その様子から、日ごろから互いへの理解を深め、共助の力を蓄えておくことが円滑な避難所運営につながると実感しました。

Q.地震が起こる前に特に準備しておくべきだと思ったことはありますか?
今回派遣された避難所では、屋外に仮設トイレが設置されていて、利用するのに『寒い』、『雨の日は濡れてストレスだ』という声がありました。避難所に行く必要がなく、自宅で過ごす場合でも、断水している間は普段通りにトイレを使用することができません。自宅のトイレにかぶせて使える、非常用トイレ袋などを備えておくといいですね。
事前の備えとして、自分や家族の命を守るために家具の転倒防止や配置の工夫などについて再確認をすることが特に重要だと思いました。また、今回の地震でも、全壊・半壊・一部損壊と、多くの建物に被害が出ていました。そのため、古い建物の場合は、耐震化しているかの確認も大切です。

■備えのポイント
(1)日ごろから互いへの理解を深め、共助の力を蓄えておく
(2)断水でトイレが使用できなくなることに備えておく
(3)命を守るために家具の転倒防止や配置の工夫などについて再確認する

総務防災課 小杉太志(こすぎたいし)
主任県および県内市町村の合同派遣の一員として2月5日~12日に石川県七尾市で避難所運営支援業務に従事

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