能登半島地震による被害を受けた被災地の支援のため、本市は5名の職員を派遣しました。実際に現場を訪れた職員が感じた、災害が起こる前に備えるべきことをお伝えします
■危機管理課 千代主事(七尾市にて避難所運営支援など)
避難所での生活はプライバシーの確保が難しく、厳しい寒さが続く中で、自宅に戻ることができずに集団生活を強いられている状況でした。しかし、そうした中でも被災者の皆さんはお互いに配慮をしながら、努めて穏やかな雰囲気で過ごしていました。
今回の派遣を通じて感じたことは、災害により普段通りの生活ができなくなることを想定し、事前にどのような対策が必要なのかを今まで以上に考えなければならないということです。災害への備えとして、一般的に在宅避難用として必要とされている3日から1週間分の水や食料などを準備しておくことが大切です。加えて、カセットコンロとカセットボンベを用意しておくことで、お湯を沸かし温かい食べ物を食べることができます。それだけでも想像以上の救いになるはずです。
■水道施設課 石井主幹 若林主査、下水道施設課 瀧澤主任 新田主事(輪島市にて応急給水活動など)
私たちは、断水している地域で応急給水活動を実施しました。運んだ水は、主に飲み水や料理の他、トイレなどの生活用水としても一部使われていたようです。給水車の前にはポリタンクやペットボトルなどを持った被災者の方たちが、長蛇の列を作っていました。その様子から、切実に水を求めていることが私たちにも伝わってきました。
今回の災害に限らず、断水が長期間にわたることで、避難所でも水とトイレが不足することが見込まれます。生活の質を維持するために、災害への備えとして事前に準備をしておくことが必要です
■しっかり考えよう(1)
●1週間分の水と食料
避難所の備蓄品や支援物資を使うその前に、在宅避難をする場合に予め備蓄しておく食料がどの程度必要か知っていますか?
◇家庭備蓄の例(1週間分/大人2人の場合)
〇必需品
・水2L×6本×4箱※1人1日およそ3L程度(飲料水+調理水)
お好みのお茶や清涼飲料水などもあると便利!
・カセットコンロ
・カセットボンベ…12本※1人1週間およそ6本程度
〇主食エネルギー炭水化物
・米2kg×2袋※1袋消費したら1袋買い足す(1人1食75g程度)
・カップ麺類…6個
・乾麺(うどん・そば・そうめん・パスタ)…そうめん2袋(300g/袋)、パスタ2袋(600g/袋)
・パックごはん…6個
・その他(適宜)…ロングライフ牛乳、シリアルなど
〇主菜たんぱく質
・レトルト食品…牛丼の素、カレーなど18個、パスタソース6個
・缶詰(肉・魚)…お好みのもの18缶
〇副菜その他(適宜)
・日持ちする野菜類…タマネギ、ジャガイモなど
・梅干し、ノリ、乾燥わかめなど
・野菜ジュース、果汁ジュースなど
・調味料…砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆなど
・インスタントみそ汁、即席スープ
チョコレートやビスケットなどの菓子類も大事!
(参考:農林水産省「災害時に備えを食品ストックガイド」)
■しっかり考えよう(2)
●トイレ
各家庭にある水洗トイレは、断水した時点で使用できなくなります。トイレを我慢すること、トイレに行く回数を減らすために水分補給を控えることは、脱水症状などの災害関連疾患を引き起こす原因になります。
◇携帯トイレ
トイレ回数は1人1日5回で想定し、7日分以上の備蓄をしましょう
1日1人約5回×家族の人数分×7日分以上×(4人家族の場合)約140枚以上
大便…大人1日1回、1回ごとに携帯トイレを交換
小便…大人1日4回、3回ごとに携帯トイレを交換
家族4人で…
大便用(1枚×4人×7日…28枚)+小便用(4枚×4人×7日÷3…37枚)=合計65枚必要!
必要な携帯トイレの数「 枚」
●必要なものチェックリスト
・ポリ袋
・使用済み携帯トイレの密閉袋
・トイレットペーパー
・ウエットティッシュ
・アルコール消毒液
・ハンドソープ
・バケツ
・ライト
・新聞紙
・消臭剤
・生理用品
・紙おむつ
・防犯ブザー
(参考:埼玉県「防災マニュアルブック」)
問合せ:危機管理課へ
【電話】2968-6527
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