■自主防災組織の代表に聞く
元肥土自主防災会
※行政区の大字肥土は上肥土・中肥土・元肥土の3つの地区に分かれています。
元肥土自主防災会 鈴木達也代表
令和6年度に設立された元肥土自主防災会の代表である鈴木達也さん。
自主防災組織について設立の経緯や今後の活動での意気込みなどを伺いました。
◇設立のきっかけ
設立のきっかけとなった印象深い出来事があります。上肥土集会所付近の浸水想定表示看板が設置された時、周辺に住む人たちが「この高さまで浸水してしまう可能性があるのか」とショックを受けていたことです。自分たちが住む土地への災害の影響をより身近に感じたようでした。
実際40年程前、神川町に台風が直撃し2日間で270ミリの雨が降りました。近くの用水路からは大量の水が溢れ、肥土地区は大きな被害が出ました。日常生活に戻るまでに2か月程度かかったと記憶しています。
このような出来事に加えて、肥土地区の世帯数の増加や自然災害の激甚化・頻発化により自主防災への意識が高まったことです。数年前から上肥土、中肥土、元肥土それぞれの地区で自主防災組織設立に向けた準備をしていました。令和5年度に上肥土地区、令和6年6月に中肥土地区、7月に元肥土地区で自主防災組織を設立しました。
神流川が氾濫した場合を想定し、町の防災ガイドブックに示す想定浸水深を町内19か所の電柱に設置しています。
◇今後の活動での目標
まずは、地元消防団と自主防災組織の関係づくりです。
消防団は災害時に役立つ知識やスキルをたくさん持っています。さらに有事の際には地域の強い味方です。消防団と連携することで、消火栓や消火器の正しい使い方や有効な避難方法、心肺蘇生などの救急救命法などを身につけたいです。
また消防団も「地元地域を守る」という同じ志を持っています。同じ地域に住んでいるからこそ互いに係わり合いを深め、まさに顔の見える関係を築いていきたいです。
◇課題や町に期待すること
自主防災組織の事業や訓練を実施するためには、元肥土地区の予算だけでまかなうことはできません。町から支給される活動費や資機材購入費の助成金が頼りです。充実した活動を実施するためには、これらの補助金を増額して欲しいです。また、防災用資機材は持っているだけでは意味がありません。住民全員が正しく防災用資機材を使えるように講習会なども開いてもらいたいです。
わたしたち住民の意識改革も重要な課題であると感じています。自主防災組織などのボランティアは「意識が高そう」とか「めんどくさそう」と思う人もいるかもしれません。自分の地域は自分たちで守るということは、つまり自分の命を守るということに直結しています。災害が起きたときに自分や家族の命を守り、被害を最小限に抑えるためにも多くの住民に参加してもらい役場などから発信される情報を共有していくことが大事だと思います。
◇これからの活動の意気込み
肥土地区の人たちはもちろん、他の地区の人にも「自主防災組織」を知ってもらい、活動に参加する人が一人でも増えればいいなと思います。そのためにも元肥土自主防災会では地域の実情にあわせてみんなで話し合い、一人ひとりが安全・安心のために活動していきます。誰もが話しやすいオープンな関係を作ることも大切だと考えています。
数百年に一度という災害は起こってみてはじめて「まさかこんなことになるなんて」と感じると思います。防災についての先人たちの知恵や記録を地域のみんなで共有していきたいですね。
問合せ:防災環境課 防災担当
【電話】0495-77-2124【FAX】0495-77-3915
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