◆第41回 石造物紹介(5) 御嶽の石仏群
金鑚神社から御嶽山の山頂をめざし登っていくと、「御嶽の鏡岩」を過ぎるあたりから道端の所どころに石仏を見ることができます。また、尾根に出ると左手の広場には多くの石仏があり、南へ下る山道にも並べられています。
現在石仏は70体を確認できますが、大正時代には今より18体多い88体あったと記録されています。
金鑚神社の石仏には阿弥陀如来(あみだにょらい)や千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)ど13種類あります。そのほとんどが光背(こうはい)※をかたどった舟形の石に浮彫りしたもので、側面に番号と奉納した方の名前が刻まれています。奉納した年が記されていないため正確な時期はかわりませんが、石仏の形状や刻まれた奉納者の村名などから江戸時代後期以降と考えられます。
奉納者は、武州(埼玉県)と上州(群馬県)の近隣の人々がほとんどです。また神川町では、7村(原新田、八日市、池田、峯岸(みねぎし)、萩平(はぎだいら)、寄島、渡瀬)から21人の名前が確認できます。
肉親を弔うためや病の快復を願ってなど、当時の人々はさまざまな理由で石仏を奉納していました。
※光背:仏身から発する光明をかたどった仏像の背後にある飾り
問合せ:生涯学習課 文化財担当
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