◆第42回 石造物紹介(6) 馬頭観音
馬頭観音(ばとうかんのん)とは観音様の変化像である六観音の一つで、頭上に馬を乗せた忿怒(ふんぬ)の姿をしている観音菩薩です。
馬頭観音は、馬の供養や無病息災、旅の安全を祈願して、道沿いや村の外れなどに立てられました。
町内の馬頭観音には、姿を表現した像塔と文字だけを刻んだ文字塔があります。像塔の多くは馬頭観音の姿を浮き上がらせるように彫った浮彫り像ですが、立体的に彫り出した丸彫りの像もあります。文字塔は、板状・角柱状に加工した石に「馬頭観世音(ばとうかんぜおん)」や「馬頭尊(ばとうそん)」、「馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)」などの文字を刻んだもので、像塔より多く見られます。
町内では58基の石塔が確認でき、作成時期は江戸期33基、明治期2基、大正期4基、昭和期5基、時期のわからないものは14基です。石塔が作られた時期からも、馬頭観音は江戸時代に広く信仰されていたことがわかります。
神川町にある最も古いものは、原新田にある延享(えんきょう)1年(1744)の「馬頭観世音菩薩」と刻まれた角柱文字塔です。最も新しいものは、元阿保にある昭和23年(1948)の「馬頭尊」と刻まれた文字塔です。
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