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スイートコーンで町おこし⁉

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埼玉県神川町

◆町おこしプロジェクト始動
町の西、群馬県境を神流川が流れ、この神流川が形成する扇状地に私たちの住む神川町の多くが広がっています。神流川が育む豊かな土地を利用して、町を代表する農産物である梨やクジャクソウが生産されてきました。
しかし梨やクジャクソウは、これから農業を始めたいと新規就農を考える方には少しハードルが高くなるのが現状です。それは初期費用がかさむことや、栽培技術の習得に時間が必要なことからです。
梨やクジャクソウに続く新たな特産品を作りたい、新規就農者を増やし神川町の農業を盛り上げたいと言う思いを胸に、神川町農業青年会議所の会員たちは特産品の開発プロジェクトを立ち上げました。
その名も「かみかわ 町おこしプロジェクト こ~んなに あま~い ドリ~ムを」

◆ドリームの主役は「スイートコーン」
こうして町おこしプロジェクトは始まりました。梨やクジャクソウに続く新たな特産品開発のためのプロジェクトにおいて、農業青年会議所は「露地野菜」に着目をしました。
露地野菜とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培された野菜のことです。野菜が本来育つ時期に合わせて栽培するため、旬を味わうことができます。この露地野菜のなかでも栽培の上で管理作業が比較的少なく、品種や味での差別化がしやすいことから「スイートコーン」をプロジェクトの目玉に選びました。
プロジェクトの初年度はスイートコーンの特産品化に向けて品種、肥料、獣害対策の3点に重点をおき、栽培を進めていきました。今年度はプロジェクト2年めへ突入します。初年度の課題をふまえ農業青年会議所の会員たちで知恵を絞りながら安定生産のため試行錯誤しています。

◆「神川町を新しいことの発信の場にしたい」
木口和成さん
令和6年2月16日に行われた第29回埼玉県青年農業者研究大会で、最優秀賞の「埼玉県知事賞」を受賞した木口和成さんに、町おこしプロジェクト「こ~んなに あま~い ドリ~ムを」のことや、神川町の農業についての思いを伺いました。

◇多くの人に知ってほしい「自分たちの町おこし」
「正直自信はありました。県知事賞取れるんじゃないかって。」埼玉県青年農業者研究大会を思い返した木口さんは晴れやかな笑顔を浮かべます。
年末年始の休みもそこそこに研究発表の練習を繰り返しました。それは会員をはじめこのプロジェクトに関わった人たちの思いを背負っているから―。そして、木口さんは農業の発展にも目を向けています。
「農業青年会議所のみんなでがんばってきた結果がこうして認められたのが嬉しいです。それにプロジェクトの中で検証した肥料や電気柵のことをたくさんPRでき、多くの人に知ってもらえたのが一番よかったです」

◇農業がもたらす人の輪そして、神川町のこれから
木口さんにとって神川町農業青年会議所とは何ですかという問いに対して、「刺激がもらえる場所。互いに助け合いながら、切磋琢磨していける存在です。」と答えていただきました。農業青年会議所では、会員同士でグループチャットを使用して情報交換を行うなど交流も盛んです。
これからの農業について、神川町を新しいことの発信の場にしたいと木口さんは考えます。「神川町は近隣市町村に比べ人口が少なく、平地も少ない町。だからこそ新しい品種や栽培技術を積極的に試し、それを広く発信していきたいです。」と語る木口さんの挑戦はとどまることを知りません。

◆町の新たな顔を生み出すために
1.あまくて美味しい、たくさん採れる品種は?
品種の選定は非常に重要です。味はもちろん、大きさ、収穫作業の手間などを総合的に考慮し、「味来」「ゴールドラッシュ」「ドルチェドリーム」の3種類を選定しました。

◇品種ごとの平均重量

◇食べ比べ調査による一番美味しかった品種

2.安全で高コスパな新しい肥料の導入!
近年、化成肥料の価格が高騰し農業者の経営を圧迫しています。そのような中、地元の企業と農業協同組合、本庄農林振興センターが共同開発したエコペレット255を試験導入しました。

JA埼玉ひびきの
JA全農さいたま
埼玉県本庄農林振興センター
朝日アグリア株式会社(地元肥料メーカー)
+
協力 地元養鶏業者

共同開発
鶏ふん堆肥入り複合肥料(エコペレット255)

3.大切なスイートコーンを狙うクセ者たちを対策!
農作物の栽培などの試験を行う畑で監視をしたところ、アライグマ、アナグマ、キツネなどの野生動物が確認されました。これらの野生動物にひとたび狙われると、実が食べつくされ最悪の場合収穫量が半減してしまいます。
そこで対策として電気柵の設置に着目し、勉強会を主催するとともに、地域への意識啓発をかねて町の生産者を招いた電気柵設置講習会を開催しました。

4.町の特産品化を目指す今後の課題
短期目標⇒スイートコーン生産初心者マニュアルの作成
中期目標⇒10月収穫における害虫の食害率低減
短期、中期目標を通して、スイートコーンを地域に根差していき、コスモスまつりと共に「スイートコーン大収穫祭」を開催することが神川町農業青年会議所の夢[ドリーム]です。

問合せ:経済観光課 農政担当
【電話】0495-77-0703【FAX】0495-77-3915

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