医療脱毛クリニックを運営する事業者が破産手続き開始決定を受けたことで、クリニックと契約中の消費者から、前払いした未施術分の代金の返金や分割払いの支払い停止についての相談が多く寄せられています。
◆事業者が破産した場合の対応
◇破産手続きの流れ
事業者の財産は、破産管財人が換価(現金化)して、債権者全体に公平に精算配当されます。一般的に消費者は「債権者届」を破産管財人に提出し、精算配当を待つことになります。
ただし、税金や従業員の給与等の支払いが優先されているため、配当はほとんど期待できません。
◇個別の返金や代替品の受け取りは不可
法律により、破産手続き中の事業者が特定の消費者に個別で返金や代替商品を提供することは禁止されています。また、返金等について事業者と直接交渉することもできません。
◆クレジットカードで支払った場合の対応
◇未施術分の代金について
クレジットカードで支払いをしている場合、消費者とカード会社との間で「立替払い契約」が成立しています。そのため未施術分の返金や今後の支払い停止を希望する場合は、カード会社に相談することになります。
◇注意事項
クリニックで施術が受けられなくてもカード会社との契約は継続しています。消費者がカード会社に無断で支払いを止めた場合、「延滞」や「滞納」として扱われ、信用情報に悪影響をおよぼす恐れがあります。
◆事例
半年前に全8回の施術で代金約30万円の医療脱毛の契約をしローンで分割払いをしていたが、完済する前にそのクリニックが倒産した。しかし、予約が取れなかったので施術は2回しか受けていない。残りの支払いを止めたい。
◆消費者へのアドバイス
先払いでの契約は慎重に行い、都度支払いをするなどの方法も検討しましょう。
もしクリニックが倒産してしまった場合は、「債権者届」を破産管財人に提出し、クレジットカードで支払った方はカード会社に未施術分の返金や支払い停止を相談してください。無断で支払いを止めると延滞扱いになる恐れがあるため、必ず事前に相談しましょう。
困った時には、お近くの消費生活センター等にご相談ください。
消費者ホットライン【電話】188(いやや)
埼玉県消費生活支援センター熊谷【電話】048-524-0999
問合せ:経済観光課 商工観光担当
【電話】0495-77-0703【FAX】0495-77-3915
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