口約束での農地の貸し借りは、法的効力がなく、権利関係が不安定です。相続が発生した場合は、「誰から借りているのか」「誰に貸しているのか」が分からなくなる恐れもあります。トラブルを未然に防ぐため、農地の貸し借りを行う際は、必ず市や農業委員会で手続きをしましょう。
■~相続で発生する口約束による貸借トラブル~
◇農地の所有者
・現在、誰に耕作をお願いしているのか分からない。
・所有している農地がどこにあるのか分からない。
・賃貸料や賃借期間の取り決めがあやふやになる。
◇農地の借り手
・昔から耕作している農地が、誰から借りているか分からない。
・農地を返したいが誰に言えばいいか分からない。
・突然、「農地を返してくれ」と言われても返せない。
■農地中間管理事業を活用しませんか?
農地中間管理事業とは、農地の有効利用や農業経営の効率化を図るため、農地中間管理機構※が農地の所有者(貸し手)から農地を借り受け、農業を担う者(借り手)に貸し付ける事業です。農地中間管理事業を活用した農地の貸し借りを検討している方は、農政課までご相談ください。
※埼玉県の場合は、埼玉県農林公社が農地中間管理機構です。
農地の所有者(貸し手):規模縮小 経営転換 農地相続
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農地中間管理機構
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農業を担う者(借り手):規模拡大 集約化 新規就農
■農地の適正な管理について
耕作していない農地は雑草や雑木が繁茂し、病害虫の発生や雑草種子の飛散、不法投棄や火災の原因になるなど、周辺農地に大変な迷惑をかけることになります。農地を所有している方は、作物の作付けをしない場合でも、草刈りなどの適切な管理をお願いします。
■相続登記の申請が義務化されました
不動産(土地・建物)の相続登記の申請が、令和6年4月1日から義務化されました。相続等で不動産の所有権を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。
施行日後(令和6年4月1日以降)に発生した相続のみならず、施行日前に発生している相続で名義変更を行っていない場合も対象になります。
問合せ:
農政課【電話】内線282
農業委員会【電話】内線289
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