健康ナビ

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■社交不安障害ってどんな病気?
人前で話す、会議で発表する等の場面では、誰でも緊張したり、上がってしまって上手くできなかったり、恥ずかしい気持ちになったりする事があるでしょう。しかし、このような場面で強い不安や恐怖を感じ、こうした状況を避けようとするために通常の社会生活や仕事に支障をきたしてしまう程になると、それは社交不安障害というこころの病気の可能性があります。社交不安障害は日本で100万人以上いるという報告もあり珍しい病気ではないのですが、病気と気付けず「自分の気が弱いから」「性格だから」と思い、周囲から「自意識過剰」「もっと勇気を出せ」と言われて苦しむ事も多い様です。症状としては、人前や自分が注目される状況で過度に緊張する、変に思われるのではないか、恥をかくのではないかと恐れ、ひどい場合は人前に出るのを避けて引きこもったり、不登校になる、人前で字を書く時に手が震える、周囲の視線が気になる、電話に出ると声が震える、いつも上がってしまい会話がうまくできず息苦しくなる、自己主張する事にも不安を抱え断れない等です。
うつ病やパニック障害、強迫性障害等に合併する事もあります。近年、心をコントロールしている脳内のセロトニンなどのバランスがストレスで崩れると不安を感じやすくなる事が分かり、抗うつ薬等での治療で改善する事も多い病気です。つらい症状に悩む場合は精神科受診も検討してください。
医師　池澤　明子