天才絵師の作品蕨にあり ─No.90─
■暁斎筆「大江山鬼退治之図」軸装
切断された鬼の首が、平安時代の武将・源頼光(みなもとのよりみつ)に向かって勢いよく飛びかかっています。鬼は現在の京都府丹後(たんご)半島にある大江山(おおえやま)に住む酒呑童子(しゅてんどうじ)が本性を現した姿です。
京の都で姫君や財宝を奪う童子を退治するよう帝の命(めい)を受けた頼光と家臣の四天王(渡辺綱(わたなべのつな)、坂田公時(さかたのきんとき)、卜部季武(うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ))らは、童子に「神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)」を飲ませて神通力を削(そ)ぎ、首をはねて退治します。暁斎はこの鬼退治のクライマックスシーンを、迫力ある筆致で描いています。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館 開催中
企画展「画鬼暁斎妖怪絵尽くし」展
同時開催 特別展「暁斎プラスワンシリーズ39野坂稔和(のざかとしかず) 横乗戯画(よこのりぎが)」展
詳しい内容は美術館のホームページを御覧ください
開館:午前10時~午後4時
休館:火・木曜日(祝日除く)、毎月26日~末日
場所:南町4-36-4
入館料:一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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