天才絵師の作品蕨にあり ─No.91─
■暁斎筆「人物三長図」軸装
長い頭が特徴の七福神の福禄寿(ふくろくじゅ)と、中国の古典『山海経(せんがいきょう)』に登場する異界人の手長(てなが)と足長(あしなが)。本図は身体の一部が長い三者を、大津絵(おおつえ)の「外法梯子剃(げほうのはしごぞり)」を基に描いた戯画です。
大津絵では大黒(だいこく)が梯子に乗って外法(福禄寿)の毛剃りをしています。ここでは足長が福禄寿の後ろから楽々と毛剃りをし、手長は福禄寿の横から長い手を伸ばし、剃られた毛を受け止めています。当の福禄寿は澄ました顔で読書を続けており、その表情が何ともおかしみを誘います。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館 開催中(23日まで)
企画展「画鬼暁斎 妖怪絵尽くし」展
同時開催 特別展「暁斎プラスワンシリーズ39 野坂稔和(のざかとしかず) 横乗戯画(よこのりぎが)」展
開館:午前10時~午後4時
場所:南町4-36-4
休館:火・木曜日、24日~1月3日
入館料:一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
展覧会の詳しい内容は美術館のホームページを御覧ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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