今月の河鍋暁斎記念美術館

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天才絵師の作品蕨にあり　─No.92─

■暁斎筆「観音と龍神図」軸装　双幅
右幅(うふく)には白衣(びゃくえ)をまとった観音菩薩が、左手に水瓶(すいびょう)を提さげ、右手で数珠を爪繰(つまぐ)り、滝の中から顕(あら)われたかのように描かれています。左幅(さふく)には龍が、跪(ひざまず)く侍者(じしゃ)を頭に載せ、渦巻く雲と共に出現した姿が描かれています。
龍は雲を呼び、風を吹かせ、雨を降らせることから、万物を動かす神とも水の神とも考えられています。生命の根源である水に関連する神仏を取り合わせ、流れる水の白と、雲を取り巻く闇夜の黒を効果的に対比させた双福作品です。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます

河鍋　暁斎(かわなべ　きょうさい)　天保2年(1831)～明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。

■河鍋暁斎記念美術館
5日(金)～2月25日(日)
企画展「暁斎・暁翠初春(はつはる)の慶び」展
同時開催　特別展「『猿楽図式』の世界」展

開館：午前10時～午後4時
場所：南町4-36-4
休館：火・木曜日、毎月26日～末日、年末年始
入館料：一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳しい内容は美術館のホームページをご参照ください

詳細：同館
【電話】441・9780