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自治体の皆さまへ

新春座談会(2)

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埼玉県蕨市

物価高騰を乗り越え 未来に飛躍する 更に住みよい蕨のまちづくりへ

[市長]影山さんとJリーグはその頃からつながっていたのですか。
[影山]はい。もともとサッカーが好きで、近くの浦和レッズの試合を見に行っていたところ、サポーターと仲よくなり、応援をもっと盛り上げようと、当時は珍しかったビジュアルを意識したフラッグをたくさん作るようになりました。
[議長]浦和レッズの応援がひときわ目立っているのは、影山さんがルーツだったのですね。
[影山]そして平成13年には、埼玉スタジアム2002のこけら落としのために、日本で初めて50メートルのビッグフラッグを作りました。そこから他のJリーグチームやプロ野球、侍ジャパンからもフラッグ制作のオファーが届きました。
[議長]旗には日本人の心をかき立てる力がありますからね。
[影山]そうなんですよ。私の自慢は「日本でいちばん小さな蕨で日本でいちばん大きなフラッグを作っている」ことで、昨年は東京ヴェルディで186メートルというかつてない大きさのフラッグを作りました。最近では、応援団と相談して見せ方のアドバイスも行っています。
[市長]フラッグ作りをこえて、応援のコンサルタントですね。
[影山]はい。テレビで蕨出身の俳優の勝村政信(かつむらまさのぶ)さんと共演したときも語り合ったのですが、日本でも応援が文化として根付いてきたことがうれしいです。彼はテレビ局や外出先にも蕨書き順Tシャツを持ち込んでいるほどで、いつも蕨の話題で盛り上がっていますよ。
[議長]そういえば、ネットニュースで「カッコいいと思う京浜東北線の駅名」ランキングで「蕨」が1位になっていましたね。
[影山]私は蕨のいちばんのスターは「蕨」の字だと思っています。蕨にはそれだけの力を感じるんです。
[市長]私もそう思います。影山さんは、本当に蕨愛にあふれ、市民を元気にしてくれていますね。あらためて影山さんは蕨の魅力はどんなところだと感じていますか。
[影山]都会でありながら下町のような人情が共存し、肌感のあるつきあいがあるところだと思います。
[市長]そうですね。歴史・文化・コミュニティーが豊かでありながら利便性を兼ねそろえているところは蕨の大きな魅力です。昨年の市民意識調査でも、まちへの愛着を感じている人は約75%、子育てしやすいまちだと思う人は85%を超える結果となりました。子育て中のかたに話を伺うと、蕨の地域のつながりや多彩なイベントを魅力に感じている人が多いですね。
[議長]コロナを乗り越え、地域の皆さんの活動も活発になってきました。昨年はわらび防災大学校をWSS(※)の皆さんといっしょに開催したところ、中学生の皆さんのやる気に満ちたパワーに大人たちが圧倒されました。万が一のときには、彼らとも協力して対応できると思うと心強いです。
[影山]その年代から防災意識があるのはすごいことですね。
[市長]影山さんと蕨の子どもたちとの関わりで言えば、平成23年から続いている西小学校のビッグフラッグがありますね。
[影山]これまでに培ってきたものを教育の場に生かしたいという思いがありました。そうしたなか、当時の校長先生との話から実現したのが西小ビッグフラッグです。これは、縦12・3メートル×横24メートルの旗に毎年卒業生が夢を記していき、10年かけて完成するもので、この取り組みは私の集大成といえますね。
[議長]子どもたちもたいせつな思い出として心に残ることでしょう。
[市長]それから蕨の魅力に欠かせないのが日本でいちばん早く実が成るわらびりんご。影山さんにはわらびりんごのキャラクターや歌も作っていただき、そこに踊りも加わり、地域の皆さんに愛されていますね。NHKなどメディアにも数多く取り上げられています。
※蕨・サポーティング・スチューデンツの略称。地域防災の担い手として自覚を持った中学生の育成を目的とした組織

■市民の皆さんと力を合わせ 選ばれるまちづくりを推進
[議長]影山さんのご活躍をいろいろ伺ってきましたが、今年はどんな年にしたいですか。
[影山]大好きなサッカーと蕨に、ここまでつながりが生まれるとは以前は思ってもいませんでしたが、「さよなら私のクラマー」や俳優の勝村さん、なでしこジャパンの佐々木則夫(ささきのりお)元監督など蕨にたくさんのゆかりができています。女子サッカーを通じて、今年は、そのつながりを更に発展させたいです。
[市長]すばらしいですね。ぜひいっしょにやっていきましょう。
[影山]ありがとうございます。お二人はいかがですか。
[議長]新人議員も多くなりましたので、ベテラン議員といっしょに学びながら、更に安心して暮らせる蕨にしていきたいです。
[市長]コロナと物価高騰を乗り越えながら、市民の皆さんとお約束したマニフェストの実現を含め、更に住みよい蕨のまちづくりを進めます。例えば、子育てや健康づくりでは、一時預かりや産後ケア、子ども食堂などの機能を併せ持つ多機能型子育て支援センターの開設や高校卒業までのこども医療費完全無料化の実施、昨年協定を締結した東京医科大学と連携した健康づくり、高齢者の補聴器購入補助制度の創設などを進めるとともに、学校体育館のエアコン設置を全校で完了していきたいと思います。
[議長]近年の猛暑などを踏まえると学校体育館のエアコン設置は避難所機能の向上にもつながります。
[市長]蕨市では、市民の皆さんのさまざまな願いに応えながらも、財政健全化を大きく進め、市長就任以来、借金は73億円削減し、基金は67億円増額し、合わせて約140億円の財政改善を行うことができました。こうした成果を土台に、蕨の未来への飛躍に向けて、今月9日から建設工事が始まる蕨駅西口再開発事業や新病院の構想をつくる重要な一年となる市立病院の建替えなど、選ばれるまちづくりを着実に進めます。
[影山]楽しみにしています。
[市長]はい。今年も市民の皆さんと力を合わせ、7万5千市民の幸せと蕨の限りない発展に向けて、全力を尽くしていきます。
[一同]それでは今年1年、皆さんにとって良い年でありますように。

■今年も市民の皆さんと力を合わせて蕨の飛躍に向けて全力を尽くします
蕨市長 賴髙 英雄(よりたか ひでお) 北町在住・60歳

■新人議員・ベテラン議員が学び合い 安心して暮らせるまちを目指します
蕨市議会議長 大石 幸一(おおいし こういち)中央在住・61歳

■蕨市とサッカーのつながりを深めて更にまちを盛り上げていきたいです
影山 洋(かげやま ひろし)さん
68歳。西小学校、第二中学校卒。平成6年に各種広告幕を手かげる有限会社染太郎を創設。現在はビッグフラッグのパイオニアとして各種メディアにも精力的に出演するなど活躍を続けている(写真は昨年制作した日本一大きい186メートルのビッグフラッグ)

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