囲碁棋士 竹下 奈那(たけした なな)さん
■夢叶えプロ棋士に
白と黒の石で盤上の陣地を取り合う囲碁。その世界で女流特別採用推薦棋士として4月からプロになることが決まったのが竹下奈那さん(15歳・塚越5丁目)です。3年前からプロとして活動している兄の凌矢(りょうや)さんに続いて兄妹でプロ棋士となりました。
4才のときに兄の影響で囲碁を始めた竹下さん。公民館などで地域の人と対局したり、多くのプロ棋士を輩出している藤澤一就(ふじさわかずなり)八段の教室に通ったりして実力をつけ、さまざまな大会で優勝していきました。そして、兄の背中を追って、小学5年生のときにプロ棋士の登竜門・日本棋院(東京本院)の院生に。その後は週4日、教室や道場に通いながら、週末は棋院での対局に挑む日々。腕を磨いて院生内の序列を上げていきました。
そして、優勝候補筆頭として挑んだ1年前の女流棋士採用試験のリーグ戦で、緊張からまさかの黒星スタート。1位のみがプロになれる試験での1敗は重く、「頭が真っ白になりました」と振り返ります。その敗北から立ち直れず次戦も黒星がつき、その後は巻き返すも結果は3位。プロ棋士へ一歩届きませんでした。しかし、その悔しさをバネにプロ棋士との対局や棋譜の検討を繰り返し、負けたときに自分を立て直す力を身に付けると、勝ち星を重ねて院生の上位10人で構成されるAクラスに昇格。持ちまえの攻めの棋風でAクラスを維持し続けると、その実績が評価され、プロ棋士への道が開けました。
「目標は女流タイトルの獲得です」と意気込む竹下さんは今月から先行して公式戦デビュー。これから挑むのはプロの世界でしのぎを削る格上のつわものたち。しかし、更なる研究と対局を積み重ね、新たな盤上でも強敵に打ち勝つ攻めの一手を求め続けます。
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