天才絵師の作品蕨にあり ─No.101─
■暁斎・孟斎合筆「東京開化名勝記海安寺紅葉の盛 鮫頭明神古事」1875年 沢村屋板 大判錦絵
本図は上段を暁斎の年上の兄弟子だった孟斎(もうさい)が、下段を暁斎が描いた合筆(がっぴつ)作品です。上段には当時、紅葉(こうよう)の名所として知られていた海晏寺(かいあんじ)の紅葉(もみじ)が描かれています。
下段では暁斎が、当時は品川沖の海が広がっていた海晏寺の門前で捕獲された大きな鮫(さめ)の腹の中から聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)が出現したことから寺のご本尊としたという伝説を描いています。暁斎は、聖観音菩薩を女性に見立て、大きな鮫の頭に頬杖(ほおづえ)を突き、光り輝く珠(たま)を持った美女として描いています。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館 開催中
河鍋暁斎記念美術館開催中(25日まで)
企画展「暁斎・暁翠風景画」展 同時開催
特別展「立原位貫(たちはらいぬき) 復刻版画」展
開館:午前10時~午後4時
ところ:南町4-36-4
休館:火・木曜日、26日~末日
入館料:一般600円高校生・大学生500円小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上の人は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳しい内容は館ホームページを御覧ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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