山菅(やますげ)ときゑ(え)さん
■健康な歯と俳句でいつまでも元気に
健康で長生きすることは、みんなの願いです。現在、蕨市内で一番のご長寿は、105歳の山菅ときゑさん(北町2丁目)。100歳の時に入居した介護施設で元気に生活しています。
山菅さんの長生きの秘訣(けつ)は、丈夫な歯。105歳にして20本以上の歯がそろっていて、大好きな果物をはじめ、バランスの良い食事を三食しっかり食べます。健康な歯を保つため、歯磨きには15分かけ、口のマッサージを行うなど、地道な習慣を続けています。
山梨県出身の山菅さんは、夫の医院開業を機に蕨市に移り住みます。長年、専業主婦として献身的に家族を支えてきましたが、平成4年に夫が他界。心に空いた穴を埋めたのが、趣味の俳句でした。俳人の宇多喜代子(うだきよこ)さんが好きで、雑誌に投稿した「立春や飴(あめ)のいろいろ並ぶ店」の句が宇多さんから「気持ちの弾みをよく出している」と、講評されたのをきっかけに俳句に夢中になっていきます。「俳句は自分の感情を表現できる場。短い単語で表現するための試行錯誤は、頭の体操にもなります」と、山菅さん。思いついた言葉を書き留める手帳には、文字がびっしり。分厚い歳時記(さいじき)を大事そうに抱えて俳句を作る姿に、施設の職員は「勉強熱心でいつも刺激を受けています」と、感心しています。
先月5日には、市内最高齢者として市長の訪問を受けました。その際、「青雲や市長迎える一〇五才」と、爽やかな秋の空と晴れやかな気持ちを詠んで出迎えました。これらの作品は施設の入り口に飾られ、みんなが新作を心待ちにしています。
「これからも、たくさん食べて長生きして、みんなを楽しませる俳句を作ります」。自慢の歯をのぞかせてにっこりと笑う山菅さんです。
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