火災や大規模災害など、いざという時にたいせつなのは地域のつながりや助け合い。地域住民等で構成され、自らの地域を守るために活動する消防団は、災害に強いまちを実現するのに欠かせない力となります。ここ本紙2、3ページでは蕨の消防団を紹介します。
「自らの地域は自ら守る」という精神に基づき活動する消防団は、地域に住む人と働く人で組織されています。団員は普段は仕事や家事、学業などをしながら、火災や風水害、震災など、いざというときには現場に駆け付け、消火・救助活動に従事。また、平常時には訓練や火災予防の広報など幅広い活動でまちを守ります。今年1月に起きた能登(のと)半島地震では、地元消防団が発災直後から避難の呼びかけや倒壊家屋からの救助、避難所運営の支援など、重要な役割を果たしました。
このように地域防災の要となる消防団ですが、近年は少子高齢化や地元で働く自営業者の減少などにより、全国的に担い手が不足しています。蕨市消防団においても同様の傾向にあり、団員数が6分団計108名の定員に満たない状況が続いています。下記では、現役消防団員として地域で活躍する二人の声を紹介します。災害に強いまちを実現するためには、地域に根づいた消防団の活動がとてもたいせつです。皆さんの入団をお待ちしています(詳細は以下)。
■人とまちを守るチームの一員になろう 消防団員募集中
対象:
・市内在住または在勤
・18歳~54歳
・健康で消防、防災活動に意欲がある
報酬:年額報酬及び出勤報酬を支給
選考:書類及び面接による選考
申込み・問合せ:電話またはメールで
消防本部総務課
【電話】441・0117【メール】shoubou@city.warabi.saitama.jp
■現役消防団員の声
○ベテランも新人もともに地域のために
第4分団 分団長 山野井 利公(やまのい としまさ)さん(昭和62年入団)
始めは父に勧められての入団でしたが、気づけばもうすぐ40年。7年前からは分団長を務めています。
入った頃と今とでは消防団も変わりました。以前は蕨出身で自営業の団員が大半でしたが、今は会社員が増え、市外出身者でも、地域への貢献とつながりを求めて入団してくれる例が増えています。また、昔は大きな火災があると夜を徹して消火活動をしたものでしたが、最近は火災発生件数が減り、火災の予防や啓発が活動の中心です。
時代に合わせて様変わりしてきた消防団ですが、自分たちが住むまちを自分たちの手で守りたいという団員の思いはずっと変わりません。これから年末にかけて、秋の火災予防運動や歳末特別警戒などの啓発事業が続きます。ベテランだからこそ、これからも気持ちを引き締めて取り組んでいきたいと思います。
○消防団活動=地域貢献=自分の学び
第5分団 団員 小口 香織(こぐち かおり)さん(令和5年入団)
年齢を重ね、これから先の人生を考える中で、なにか人の役に立つことを始めたいという気持ちを持っていました。そんなときに、たまたまテレビの消防団特集で見かけた、受験勉強やサラリーマンをしながら活動する消防団員の姿に背中を押され、子育て中の私にもできることがありそうだと思い、入団を決めました。
私はまだ、実際に火災や風水害などで出動したことはありませんが、火災予防週間に合わせて地区を巡回する広報活動や町会の防災訓練、チェーンソーや発電機などの救助用機材の取り扱い訓練など、さまざまな形で地域の防火・防災活動に参加しています。
入団前は若干の不安もありましたが、先輩団員は皆優しく受け入れてくれましたし、活動の中で火災予防や救命・救助に関する知識を得ることもできたので、入団してよかったと思っています。
■蕨市総合防災演習のお知らせ 消防団の皆さんも参加します
見学自由。体験コーナーあり。お気軽にお越しください。
日時:17日(日)午前9時~正午
場所:南小学校(南町1-36-6)
内容:ライフライン応急復旧訓練、市民参加訓練、初期消火訓練など
詳細:安全安心課
【電話】433・7755
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