■移転建替えの蕨市立病院
西公民館・松原会館を含む一体的な敷地に移転建替えが決定した蕨市立病院。本紙6ページから9ページまでは、賴髙英雄蕨市長と伊関友伸城西大学経営学部教授との対談を通じて、建替えに向けて基本構想・基本計画作りを進めている蕨市立病院がどのような病院を目指すのか、お伝えします。
賴髙英雄蕨市長と伊関友伸城西大学教授との対談(市役所にて)。
伊関教授は、病院経営や建替え等に関して、多くの自治体病院で支援をされています。蕨市立病院では、伊関教授を講師に、今年5月、病院職員をはじめ多くの市議会議員にも参加いただき、建替えに向けた講演を開催しました。
蕨市長 賴髙 英雄(よりたか ひでお)
城西大学教授 伊関 友伸(いせき ともとし)
プロフィール:城西大学経営学部教授
研究テーマ:行政学/総務省・公立病院に関する財政措置のあり方等検討会委員、内閣府・公立病院改革の経済・財政効果に関する研究会委員、総務省・持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会委員等を歴任
著書:「自治体病院の歴史住民医療の歩みとこれから」「自治体病院経営改革」「新型コロナから再生する自治体病院」等多数
○経営強化に取り組みながら安定経営を目指す
[市長]伊関教授には、5月に蕨市立病院で講演をしていただき、ありがとうございました。
[伊関]病院経営や建替えのお役に立てていただければ幸いです。
[市長]私自身も参加しましたが、非常に有意義な内容でした。
[伊関]蕨市立病院は、昭和45年に建てられ、診療科は内科、外科、整形外科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の7科で、130床の急性期病床を有していますね。
[市長]市内唯一の二次救急を担う病院でもあります。
[伊関]病院にもいろいろありますが、蕨市立病院のような自治体病院は、住民の命を守るために、民間医療機関では賄いきれない隙間を埋めることに存在意義があると考えています。
[市長]そのことは新型コロナウイルスの対応のときに改めて感じました。保健所の要請にいち早く応え、発熱外来を開設し、可能な限り予約なしでの受け入れをしましたし、感染症患者の受け入れ、更にワクチン接種でも中心的な存在で、市民の皆さんからは、蕨市立病院があって良かった、必要だよねとの声をいただきました。
[伊関]自治体病院の再編・統合の流れの中で、国が再検証対象病院を公表した時期がありましたが、その対象となった多くの自治体病院が、新型コロナ対応に積極的に取り組んでいました。
■蕨市立病院概要
[外来]内科、外科、整形外科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科
[病棟]内科病棟、混合病棟、産科病棟病床数130
[建物]地上5階建 延床面積6,865.65平方メートル
詳細:同院
【電話】432・2277
■基本構想・基本計画を審議
蕨市立病院では、移転建替え整備に向け「蕨市立病院整備検討審議会」を設置し、病院整備にかかる基本構想・基本計画のご審議をいただいています。
新病院整備の基本方針(案)では、(1)急性期医療の継続(2)地域医療連携の充実(3)地域包括ケアへの対応(4)周産期医療・小児医療の提供(5)入院環境の充実(6)外来診療環境の充実を掲げています。診療科は現状を基本としつつ、今後の患者ニーズ等に応じ、将来的に新たな診療科の開設にも対応できるよう、柔軟な対応が可能な診療スペースを確保すること、また、必要病床数は、高齢者の増加を見据えた回復期機能を有する病床の確保をしつつ、現状の130床程度をベースに検討をしていくことなどについて、審議が進められています。計画は今年度末の策定を予定しています。
■ご利用ください
○予防接種(インフルエンザ等)
各種予防接種を実施しています。インフルエンザワクチンは、小児に限り点鼻薬での接種(1回接種で完了)も先月から開始しています。予約時間は午後2時から4時までとなります。
○産後ケア事業
出産後のリフレッシュ等を目的とした産後ケアを行っています。通所型のほか短期入所もでき、産後の心身の相談や母乳指導なども受けられます。
申込み:保健センター
【電話】431・5590
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