天才絵師の作品蕨にあり ─No.103─
■今月の河鍋暁斎記念美術館
○暁斎筆・秋月種樹賛 「天狗集会之図」紙本墨画淡彩 軸装
幕末から明治前半の政治家・秋月種樹(あきづきたねたつ)が「山公自是林園主」と書いた掛軸を、天狗(てんぐ)たちが見上げ、批評し合っています。その軸が掛けられているのは、何と大天狗の鼻。大天狗は木の洞(ほら)から顔を出し、苦々しい表情で、下の様子を見ています。本図は天狗たちを暁斎が描き、秋月が書を認(したた)めて合筆(がっぴつ)しています。自分のことを棚に上げて他人を評価する人々の自信過剰ぶりを、「天狗になる」という慣用句になぞらえ、天狗たちが品評をしている姿で表現した、暁斎の強烈な風刺画です。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
■河鍋暁斎記念美術館 開催中(23日まで)
企画展「画鬼暁斎妖怪画コレクション」展
同時開催 特別展「『暁斎酔画』の世界」展
開館:午前10時~午後4時
ところ:南町4-36-4
休館:火・木曜日、26日~末日
入館料:一般600円高校生・大学生500円小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上の人は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
展覧会の詳しい内容は美術館ホームページを御覧ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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