天才絵師の作品蕨にあり ─No.93─
■暁翠筆「恵比須、大黒天とねずみ」軸装
本図は暁斎の娘の暁翠(きょうすい)の作品です。
1年の中で60日に1度の周期で巡ってくる甲子(きのえね)の日の子(ね)の刻(午後11時~午前1時頃)に大黒天(だいこくてん)に二股大根などを供える神事を「甲子待(きのえねまち)」と言い、古くは室町時代の頃から行われていました。本図は大黒天の使いの鼠(ねずみ)が夫婦揃そろって正装をして、恵比須(えびす)と大黒天に大根を捧げ、「甲子待」をしている姿が描かれています。大黒天は小槌(づち)を振り上げ、自分の使いである鼠たちに今、まさに福を授けようとしています。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館 開催中(25日まで)
企画展「暁斎・暁翠初春(はつはる)の慶び」展
同時開催 特別展「『猿楽図式』の世界」展
開館:午前10時~午後4時
場所:南町4-36-4
休館:火・木曜日、毎月26日~末日
入館料:一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上の人は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳しい内容は館ホームページを御覧ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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