昨年11月、蕨市立病院施設整備検討委員会は、西公民館・松原会館を含む市有地への移転建替えが望ましいとの報告をまとめました。市はこれを受け、審議会や市民説明会を経て、移転建替え方針を決定。ここでは、これまでの経緯と今後について紹介します。
■3月に審議会から答申 移転建替え方針を決定
急性期医療を担う救急病院であり、また、市内唯一の出産できる施設であるなど、地域の中核病院として、市民の命と健康を守る市立病院。その建物は昭和45年に建設され、既に築50年以上が経過し、耐震化を含む施設整備が大きな課題となっていました。そこで蕨市立病院施設整備検討委員会が整備方針の検討を進め、昨年11月、西公民館・松原会館を含む一体的な敷地(錦町3丁目地内・合計敷地面積約4540平方メートル)への移転建替えが望ましいとの報告をまとめました。
これを受け、市は1月、市議会議員や埼玉県済生会、東京医科大学及び蕨戸田市医師会からの推薦による学識経験者、地域団体の代表、公募による市民からなる蕨市立病院整備検討審議会を設置。移転建替え方針案の妥当性を諮問し、幅広い立場の委員から、専門的、多角的に審議していただきました。
審議会では、建替えに伴うコストや医療提供体制、病院経営への影響などの議論をはじめ、移転候補地の立地や土地の形状、診療スペースなど、市立病院のより良い将来に向けて活発に意見が交わされました。3回の審議を経て、3月7日、移転建替えが適切であること、候補地を含め、方針案は妥当であるとの答申がまとめられました。市はこの答申を受け、市立病院の移転建替え方針を決定しました。
■地域の安心につながる 市立病院リニューアル
全国的な少子高齢化や人口減少が進む中、また、大規模災害の懸念が高まる中、市立病院の建替え、充実を早期に進めていくことは、蕨市が安心して住み続けられる、選ばれるまちとして発展していく上で、とても重要な取り組みであるとともに、市民の皆さんにとって大きな関心事です。
市では、この間、移転建替え方針案について市内5地区で説明会(関連下記)を開催。先月には無作為抽出した18歳以上の男女2000人を対象に新病院への意見を伺うアンケートを実施するなど、市民の皆さんの声をお聴きし、ご理解をいただきながら、地域の安心を支える新しい病院づくりを進めていく考えです。
今年度は、どのような機能や規模を持った病院を建設していくのか、審議会でご審議いただいた上で基本構想、基本計画を策定していきます。その後、設計・工事を進め、令和10年度末までの竣工を目指しています(詳細下表)。
これからも市は、スピード感を持ちながら、市立病院の整備を着実に進めます。
問合せ:市立病院
【電話】432・2277
■審議会の答申がまとまる
3月7日に開催された第3回審議会において、移転建替え方針が妥当であるという内容の答申が取りまとめられ、原澤茂(はらさわしげる)会長から市長へ答申書が手渡されました。
■市民説明会で寄せられたご意見・ご質問を紹介します
※移転建替え方針決定前の質疑応答です。
[Q]新病院における診療科などの機能や病床数などの規模はどのようになりますか。
[A]移転候補地は現病院の機能や規模を確保できることなどを想定して選定していますが、新病院の建設にあたっては、どのような病院を目指すのか、その機能なども含めて検討を進め、令和6年度に基本構想・基本計画を策定していく考えです。
[Q]移転候補地は自宅からの交通手段に不安がありますが、対策はあるのでしょうか。
[A]新病院は現在地から約500mの場所となりますが、現在利用の少ない南町・塚越地区を含む多くの市民のアクセスの強化に向け、コミュニティバス「ぷらっとわらび」のルートを改善するなど、通いやすい環境作りを検討していきます。
[Q]移転先となっている、西公民館・松原会館は、どうなるのでしょうか。
[A]西公民館と松原会館は、市民のかたから寄附していただいた錦町5丁目の土地に、複合施設として新たに移転整備する計画です。移転に当たっては、地域の皆さんの声をお聴きしながら、検討を進めていきます。
市内5地区の公民館で、1月21日から2月13日まで開催。延べ133人の参加者に移転建替え方針案について説明しました。
■市立病院移転建替えスケジュール
■期待の声
小槻 真吾(こつき しんご)さん 中央2丁目
家族で利用しやすい病院に
市立病院はよく利用しているので建替えで安全性が高くなると聞いてうれしいです。子どもを連れていくことも多いので、車でも利用しやすい病院になると良いですね。
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