暮らしの保健室「あひるの家」 代表 日月 博子(たちもり ひろこ)さん
■ここに行けば誰かに会える
保健室が、まちの中にもあったらいいと思うんです」。そう熱心に語るのは、暮らしの保健室「あひるの家」代表の日月博子さん(64歳・南町2丁目)。昨年4月から、専門家に健康や介護のさまざまな相談ができる場所「あひるの家」を開催しています。
蕨市で26年間、訪問看護師として働いてきた日月さんは、多くの人が自分の健康や家族の介護の悩みについて一人で抱え込み、多様化するサービスから適切な支援を選び取れていない現状にもどかしさを感じていました。時間や制度にとらわれず、一人ひとりから丁寧に話を聞き、悩んでいる人たちの力になりたいという思いが募り、定年退職を機に、看護師としてともに働いてきた林(はやし)まき子こさんと、あひるの家をスタートさせます。
現在、三つの公民館で定期開催しているあひるの家には、相談のある人が訪れるだけでなく、血圧測定や脳トレなど、皆さん自由に過ごしています。自分の体と向き合ううちに自然と不安や悩みに気がつくことも。利用者からの相談には、看護師として培った知識を生かし、最適解を探します。「気軽に話せて的確なアドバイスができるのが、あひるの家の強み」と日月さん。利用者も親身になって話を聞いてもらい、不安な気持ちが和らいだと笑顔を見せてくれました。
日月さんの献身的な姿に共感し、医師やケアマネージャーなどの専門家仲間も活動に協力してくれるようになり、つながりの輪は着実に広がっています。今後の目標は、困っている人と専門家をつなぐハブになること。今月24日には東公民館で「ミニ・健康まつり」を開催予定です(お知らせ版1ページ)。「ここに行けば誰かに会える」を合言葉に、これからもほっと心が休まる場所を目指して、活動は続きます。
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