令和7年。新しい年を迎えました。今回の新春座談会では、昨年の出来事を振り返りながら、今年1年の市政や今後のまちづくりをどのように進めていくのか、賴髙英雄(よりたかひでお)蕨市長と大石幸一(おおいしこういち)蕨市議会議長、蕨市出身で、囲碁のプロ棋士として活躍する竹下凌矢(たけしたりょうや)さんの3人が語り合いました。
■飛躍する蕨の未来に向けてあったか市政は大きく前進
[市長]竹下さん、お久しぶりです。小学生の頃にお会いしたことは覚えていますか。
[竹下]はい。3年生のときに囲碁の全国大会で準優勝した報告のため、市役所を訪問しました。
[市長]竹下さんが、あのときの夢をかなえてプロ棋士となり、活躍されている。こんなにうれしいことはありません。私も囲碁が好きで、蕨出身の竹下さんのことはいつも応援しています。昨年11月には、広島アルミ杯・若鯉戦で初めての本選出場も果たしましたね。
[議長]おめでとうございます。
[竹下]ありがとうございます。プロになって4年ですが、昨年は勝率もこれまでで一番良く、自分なりに目標は達成できたと思っています。お二人はどんな年でしたか。
[市長]蕨の未来への飛躍に向けた3大プロジェクトでは、一昨年に庁舎の建替えが完了したのに続き、昨年はいよいよ蕨駅西口再開発事業が着工し、市立病院の移転建替え方針を決定するなど、市政が大きく前進する1年となりました。
[令和6年市政トップ10]
[竹下]小学生の頃、蕨駅西口の碁会所によく通っていたので、駅前は思い出深い場所です。きれいになり、図書館や商業施設が出来ると、多くの人が訪れると感じます。
[市長]新しい図書館は、自動貸出機の導入や開館時間の延長などにより便利になるのに加え、中高生世代の居場所となるヤングアダルトエリアが設けられるなど、若い世代も利用しやすくなります。
[議長]議会でも全国の先進的な図書館を視察してきましたが、どの地域でも充実した駅前図書館は多くの人に利用されていますね。
[市長]また、昨年は元日に能登(のと)半島地震で甚大な被害が発生するなど、災害への備えのたいせつさが改めて認識された1年でした。
[議長]私も市と蕨防災士会で立ち上げた「わらび防災大学校」に携わっていますが、防災に対する市民の関心はとても高まっています。
[市長]能登半島地震では大規模な断水が続き、被災者の生活に大きな影響が出ました。蕨市では水道の耐震化に力を入れていて、基幹管路の耐震化率は99・4%。全国平均の42・3%(令和4年度末現在)を大きく上回ります。昨年は更に避難所や病院などにつながる重要施設配水管の耐震化を進め、今年度末には耐震化率95%となる見込みです。併せて昨年は山梨県笛吹(ふえふき)市や株式会社ルネサンスと協定を締結し、災害時の協力体制の充実も図っています。
[竹下]それは心強いですね。
[市長]また、能登半島地震の際には、市としてできる限りの支援をしようと、公共施設や駅前で義援金を募ったほか、被災自治体へ市職員や給水車の派遣も行いました。竹下さんも囲碁を通じたチャリティイベントに参加したそうですね。
[竹下]師匠の藤澤一就(ふじさわかずなり)先生が社会貢献活動に熱心なかたで、私もそういった機会には積極的に参加しています。都内でのイベントに加えて、被災地のかたとのオンライン対局も行いました。
[市長]災害からの復旧・復興には、道路や建物だけでなく、生きがいや楽しみなど、心の元気を取り戻すことも重要だと思います。その点で、プロ棋士と対局できた囲碁ファンはうれしかったでしょうね。
[竹下]イベント終了後、参加した皆さんがとても喜んでくれていたと聞き、私もうれしかったです。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>