■市民の皆さんと歩む蕨の未来のため 今年も市政推進に全力を尽くします
[市長]そのほか昨年は、家庭用防犯カメラの設置費補助制度の創設や街なか防犯カメラの増設など、防犯対策を更に強化しました。また、子育て・教育の分野では、高校卒業までのこども医療費無料化や第2子以降の学校給食費無償化、全ての小・中学校体育館へのエアコン整備の完了などを進めました。
[竹下]母校の塚越小学校の体育館もエアコンが整備されたのですね。
[市長]また、健康づくりの分野では、高齢者の補聴器購入費や帯状疱疹ワクチン接種費の補助を開始したほか、誰もが健康で幸せを実感できるスマートウェルネスシティを目指し、ウォーキングに取り組む市民の輪を広げています。更に、にぎわい創出にも力を入れ、空き店舗の有効活用の取り組みを一段と進め、民間企業や金融機関等との4者協定も締結しています。
[議長]私たち市議会も、より良いまちづくりに向けて市に提言や要望等を行うとともに、11月には議会報告会を開催しました。参加者からは、市立病院や西公民館の建替え、子育て・教育など、多くの意見が寄せられましたが、速やかに市の関係部署に共有することができ、連携した課題への取り組みにつながったものと考えています。
[竹下]お二人とも充実した1年だったようですね。
■便利さと温かさが同居する 蕨の魅力をこれからも発信
[議長]ところで、竹下さんはどんな経緯で囲碁を始めたのですか。
[竹下]小学2年生のとき、父に子ども囲碁教室に誘われたのがきっかけです。それまでは野球少年だったのですが、こういう遊びもあるんだな、と新鮮に感じました。
[市長]プロを目指すほどに熱中していった理由はなんでしょうか。
[竹下]自分が強くなって、以前はかなわなかった相手にも勝てるようになるのが楽しかったんです。中学生になってからは、蕨を離れ、都内にある師匠の道場に住み込んでプロ棋士を目指しました。高校1年生のときにプロになりましたが、今も道場で生活しています。
[市長]中学生が親元を離れ、師匠の下で修業をするというのは、たいへんな決意ですね。竹下当時はプロになるために勉強し続けるしかないと必死でした。
[議長]小学生時代を過ごした蕨には、どのようなイメージを持っていますか。
[竹下]今も月に1回程度は実家に帰ってきますが、蕨は暮らしやすい住宅地で、ご近所同士の結びつきが強いイメージです。今思えば、学校に行くときにも、近所の人にいつも声をかけてもらっていました。そうした地域の温かい関係が蕨の良さだと感じます。
[市長]蕨は都心に近く、便利なまちであると同時に、コミュニティが豊かで、歴史と人情味のあるまちでもあります。その両方を併せ持っていることが、蕨の良さであり、住み心地の良さにもつながっているのだと思います。
[議長]蕨は市域が小さく、徒歩圏内に多くの施設が集まっているので、住民同士の顔の見える関係が生まれやすく、それがまちの良さにつながっているんでしょうね。
[市長]今後も蕨の魅力を市の内外に発信していきたいと思いますし、竹下さんのように蕨に縁のある人が活躍していることは、まちにとって明るい話題になります。
[議長]機会があれば、いろいろな形で蕨でも活動してくださると、うれしいですね。
[竹下]はい。そうした際にはぜひ協力させてください。
■市民の皆さんとともに歩む 住みよい選ばれるまち蕨へ
[市長]竹下さんは今年、どんな目標を持っていますか。
[竹下]今私は二段なので、まずは三段に昇段することを目標にがんばります。そして、昨年以上に若手棋戦で活躍していきたいです。
[市長]これからも応援しています。妹の奈那(なな)さんも昨年からプロ棋士として活動していますね。
[竹下]お互いプロになり、これからは妹に追われる立場になります。私も負けられないな、といい刺激になります。
[議長]いつかプロの棋戦でご兄妹が対局されるのも楽しみです。
[市長]今年は竹下さんが成年式を迎える年でもありますね。
[竹下]今は市外に住んでいますが、蕨市の成年式に出席する予定です。小学校の同級生に久しぶりに会うのも楽しみにしています。
[市長]ぜひ、いらしてください。お待ちしています。
■市民の皆さんが元気に暮らせるよう 行政と連携しまちづくりを進めます
[竹下]お二人は今年、どういった年にしたいと考えていますか。
[議長]蕨を、市民の皆さんが元気に暮らせるまち、そして、災害などの万が一のときにも、お互い助け合えるようなまちにしたいと願っています。そのために議会ができることには全力で取り組んでいきますし、議会と行政の協力も欠かせないと思っています。
[市長]議会と行政は、より良いまちづくりを進める両輪ですね。今年は、更なる暮らしの安心と未来への飛躍に向けて、ライフラインの耐震化などの防災対策、自然と触れ合える公園やボール遊びができる公園の設計、学校トイレの改修など、子どもたちの教育環境の充実、ウォーカブルなまちづくりなどの健康づくり、空き店舗の有効活用や中山道に面したにぎわい交流拠点の整備計画といったにぎわいづくりなどを着実に進めたいと思います。同時に未来への3大プロジェクトでは、蕨駅西口再開発事業が令和9年7月の竣工(しゅんこう)に向けて地上部分の建設が進むとともに、今年度に策定する新病院の基本構想・基本計画に基づき、来年度は設計を進めます。
[竹下]重要な1年になりますね。
[市長]今、日本は少子高齢化・人口減少社会に伴う諸課題に直面していますが、蕨市では人口の微増傾向が続き、選ばれるまちづくりが進んでいます。今年も蕨の限りない発展のために、市長として先頭に立って、市民の皆さんと力を合わせて、蕨の住みよいまちづくりに全力を尽くします。
[一同]それでは今年1年、皆さんにとって良い年でありますように。
■蕨市は人が温かく暮らしやすいまち 離れたからこそ魅力を感じています
竹下凌矢(たけしたりょうや)さん
19歳。塚越小学校卒業後、中学生からは囲碁の道場に住み込み、プロ棋士を目指す。高校1年生時の令和2年に入段し、5年に二段に昇段。藤澤一就八段門下。妹・奈那さんもプロ棋士(令和5年入段)。第32期竜星戦ベスト8など、今後が嘱望される若手棋士
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