天才絵師の作品蕨にあり ─No.105─
■暁斎筆「走る恵比須・大黒天」 明治17年(1884) 紙本墨画淡彩 軸装 双幅
本図は暁斎が明治17年(1884)の正月に描いた双幅の掛軸です。向かって右は、盃(さかずき)と酒瓶(さかびん)を持って走る大黒天(だいこくてん)。左は、大黒天のほうを振り向く恵比須(えびす)。まるで大黒天が恵比須に「もっと飲もうよ」と誘い、恵比須は振り返りながら、「いや、もう充分」と手を振り断っているようです。どちらも神様ながら人間味があり、笑顔があふれています。見ているこちらまで楽しい気分になってくるような、まさに新春にふさわしい作品です。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
■河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館(24日まで)
企画展「暁斎・暁翠福寿の魁(さきがけ)」展
同時開催 特別展「『暁斎絵日記』に見る年中行事―新年―」展
開館:午前10時~午後4時
ところ:南町4-36-4
休館:火・木曜日、26日~末日
入館料:一般600円高校生・大学生500円小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上の人は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
展覧会の詳しい内容は美術館ホームページを御覧ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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