■外来種に関するQandA
Q1.特定外来生物を見つけたらどうすればよいの
A.見つけた特定外来生物を生きたまま許可なく運搬できないことから、不用意に捕まえず、まずはその場所の管理者や環境課にご相談ください。
Q2.外来種を飼うことはできるの
A.外来種を飼うことはできますが、特定外来生物として指定された生物を新しく飼おうとするときは、主務大臣の許可を受けなければなりません。
特定外来生物を飼うときの目的は、学術研究、展示、教育などに限定されており、ペットとして飼うことはできません。
Q3.外来種を釣ってもよいの
A.外来種(特定外来生物を含む)を釣ることに問題はありませんが、他の場所で放さないでください。また特定外来生物は、持って帰って飼うことが禁止されています。
釣った特定外来生物をその場で放す「キャッチ・アンド・リリース」や、その場で締めた上で持ち帰って食べることは問題ありません。
Q4.外来種は人にあげてもよいの
A.外来種を人にあげることはできますが、特定外来生物として指定された生物は、国の許可なく人にあげたり、売ったり、もらったりすることができません。ペット以外で飼育している場合は、相手も同じ生物での許可を受けていれば、認められる場合があります。その際は双方が、国に届け出る必要があります。
Q5.ペットとして飼っている特定外来生物を繁殖させてよいの
A.外来種を特定外来生物として規制される前から飼っていて、国から許可を受けた場合は、規制後も飼い続けることができます。しかし、その個体しか飼うことができず、繁殖させることはできません。
Q6.外来種を飼えなくなったらどうすればよいの
A.外来種を野外へ逃がすことは絶対にしないでください。特に特定外来生物を逃がした場合は、生態系などへの被害を発生させるとともに処罰の対象となります。
外来種に限らず、生き物を飼い始めた場合は、最後まで飼い続ける責任を持たなければなりません。このような事態に陥らないためにも、生き物を飼い始めるときは、その生き物の寿命、成長したときの大きさ、生態などを十分に調べた上で判断してください。
Q7.見つけた特定外来生物を駆除してもよいの
A.特定外来生物の駆除は、鳥獣保護管理法で規制されている哺乳類と鳥類を除いて、誰もが自由に行うことができます。また、駆除に当たっては生きた個体などの保管や運搬はできないことに注意し、できる限り生き物に苦痛を与えない方法をとってください。
■外来種からの被害を防ぐために
現在、日本の野外に生息している外国起源の生物は、分かっているだけでも2,000種類以上といわれています。私たち一人一人が外来種について知り、被害を拡大させないよう努め、自然環境や在来種の命を守りましょう。
▼外来種被害予防三原則
▽「入れない」
悪影響を及ぼす恐れのある外来種を、自然分布域から非分布域へ入れないことが大切です。
オオクチバスやコグチバスは釣り魚とするために日本で放流されましたが、餌となる在来の魚を激減させる例が各地で確認されています。悪影響を及ぼすことが予想される外来種は法律で持ち込むことが規制されていますが、そうでない外来種であっても予想外の悪影響があるかもしれません。むやみに外来種を入れることはやめましょう。
▽「捨てない」
飼育・栽培している外来種を適切に管理し、捨てないことが大切です。
ミドリガメはかつて縁日などで見掛けたかわいらしいカメですが、正確には「アカミミガメ」といいます。成長すると甲羅が30センチメートルを超えることもあり、数十年生きることもあります。池や川でも見掛けますが、本来日本にいないカメで、飼いきれず捨てられたものが繁殖したと考えられています。動物を飼うときは、最後まで責任をもって飼い、途中で野外に放たないようにしましょう。
▽「拡(ひろ)げない」
野外にいる外来種を他地域に広げないことが大切です。
強い毒を持つセアカゴケグモは、本来オーストラリア原産ですが、既に西日本で繁殖しています。また、車に紛れ込んだものが運ばれ、日本各地で発見されました。野外で生息・生育し、繁殖してしまっている場合は、人間が運ばないように注意をし、今生息・生育している場所から広げないようにしましょう。
▼市の取り組み
▽出前講座「STOP!クビアカツヤカミキリ」
行田市まちづくり講座の一つである「STOP!クビアカツヤカミキリ」では、環境課職員がクビアカツヤカミキリの生態を説明し、効果的な防除について解説します。利用方法など詳しくは市ホームページをご覧ください。
▼市の取り組み
▽アライグマ捕獲のため捕獲器を貸し出します
期間:水曜日に貸し出し、2週間後の火曜日に返却
その他:
・餌(果物など)は依頼者にご用意いただきます。
・アライグマ以外の動物(ハクビシン、タヌキなど)は市では捕獲ができないため、埼玉県ペストコントロール協会(【電話】048-854-2890)にご相談ください。
詳細は市ホームページをご覧ください。
▼専門家からの提言
▽被害の拡大を抑えるためには皆さんの協力が必要です
埼玉県環境科学国際センター(加須市上種足914)では、特定外来生物に関する情報の収集や調査などを行い、皆さんへ情報発信をしています。県内では、特にアライグマとクビアカツヤカミキリが猛威を振るっており、警戒が必要です。
クビアカツヤカミキリの防除については、現在、被害を受けた樹木への農薬処理や成虫拡散防止用ネットの巻き付けといった対処療法的な方法が主流となっています。しかし、これからは飛んで拡散する成虫を防除し、被害のさらなる拡大を抑える予防的な対策も必要です。そのためには、成虫の捕殺など皆さんの協力が不可欠です。クビアカツヤカミキリの成虫や被害を見つけたら、市(環境課)にお知らせください。
アライグマについては、空き家をすみかにするケースが多く見られます。空き家を所有されている方はぜひ適正な管理をお願いします。また、アライグマの餌になってしまうので、庭にミカン、柿、ビワなどの果実を収穫しないまま放置したり、廃棄する農作物を畑に放置したりしないようにしましょう。
いずれにしても、一人一人が「外来種被害予防三原則」を守り被害拡大防止に努めることが大切です。
埼玉県環境科学国際センター研究推進室副室長 三輪誠さん
問い合わせ:環境課
【電話】556-9530
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