■第8回「ありがとう、貴婦人。」
3月24日(日)、お色直しが完成した蒸気機関車C5726号「貴婦人」のお披露目式が市民プール隣の本丸児童公園にて行われました。50年以上もの間この場所に置かれているうちに、痛々しい姿となった貴婦人をご覧になっていた方も多いことでしょう。私自身も、以前から行田を訪れ錆(さ)びついたその姿を見るたびに、なぜ街なかにこのようなものを放置しておくのだろうか、と疑問に思っていました。
このたびの貴婦人お色直しは、市民の皆さんからの税金など市の財源に頼らず、個人や企業からのふるさと納税、つまり、市外から頂いたお金を財源とすることが事業の特徴でした。目標額780万円と聞いた瞬間、「そんなに集まるわけないだろう」と不安がよぎりましたが、「目標というのは、達成するためにあるんです!」と、気を取り直して発した私の言葉に担当課長が奮起し、職員たちが知恵を絞り、汗をかいてくれました。おかげさまで市内からのご寄付も頂き、目標額の倍以上の1,640万円を頂戴しましたので、塗装だけでなく、運転席に登れる階段や煙の演出、夜間のライトアップ、また隣の本丸児童公園のパンダやライオンも蘇らせることができました。
市外から貴婦人に会いに来た方、嬉しそうに運転席に乗る子どもたち、貴婦人をバックに記念写真を撮るカップル。貴女(あなた)のその姿に魅了される人が今日も絶えません。
時が止まったかのように錆びついていた貴婦人が、皆さんのたくさんの想(おも)いを集めて、漆黒の輝きを取り戻し、行田の街なかに凛として佇(たたず)んでいます。ありがとう、貴婦人。貴女とともに、行田も新しいステージへと動き出します。
行田市長 行田邦子
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