■剣道の称号の最高位、「範士」を受賞
大澤 規男さん(長野・64歳)
今月は5月に剣道の「範士」になられた大澤規男さんを紹介します。
剣道を始めたきっかけは、小学5年生のころ、近所に道場ができ、稽古に誘われたことでした。これまで「日々努力すること」を大切に、自分自身に負けないための努力を続け、「他の人が2回しているなら、自分は3回、4回」と自らに厳しく稽古に打ち込んできた大澤さん。「スポーツも勉強も同じです。努力すれば結果がついてきて、自信につながります」とこれまでの経験について語ってくれました。
大澤さんは埼玉県警の警察官として採用され、警察業務に従事しながら、剣道特別訓練員(特練員)として鍛錬を重ね、特練監督として指導も行ってきました。また、日本代表に選出され、世界大会にも出場しています。
平成30年9月に宮城県仙台市で開かれた全国を東西に二分した団体戦、第64回全日本東西対抗剣道大会では大澤さんは東軍の3将として出場。ここで負ければ東軍の敗北という緊張の中、約4分に及ぶ接戦の末見事勝ち抜き、勝利に貢献しました。大会の優秀選手にも選出され、「勝利の立役者となることができ、とても感動しました」と当時の激戦を振り返ります。
そして今回、これまでの功績や実績が評価され、全日本剣道連盟から5月に「範士」の称号を受賞しました。埼玉県で「範士」の称号を持つ方は、約22、630人の有段者のうち大澤さんを含めて5人のみです。受審資格は「教士八段受有者で、八段受有後、8年以上経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者、又は全剣連の会長が適格と認めたもの」で、合格率は1パーセント以下の狭き門。大澤さんは「多くの先輩がいる中、自分が受賞できるとは思わなかった。証書をもらうまで実感が湧かなかったです」と驚きを話してくれました。
「継続は力なり」。続けることで成長し、結果が生まれることを経験してきた大澤さんは、剣道を教えている子どもたちの段位を一人でも多く上げたいとその成長に期待を込めます。
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